日本の決済システムの動向 パート1:金融市場インフラを巡るグローバルおよび日本の動向【日本語】
Financial Market Infrastructure Trends in Japan and Around The World
Abstract
(このレポートの英文版を"Payment Systems Trends in Japan, Part I: Financial Market Infrastructure Trends in Japan and Around The World"というタイトルで2013年11月29日に発表しました。)
国際決済銀行(BIS)の支払・決済システム委員会(CPSS)と証券監督者国際機構(IOSCO)専門委員会は、2012年4月、「金融市 場インフラのための原則」と題する報告書を公表しました。この報告書は、システミックに重要な資金決済システム、証券集中振替機関、証券決済システム、清 算機関、取引情報蓄積機関を含む金融市場インフラのための新たな国際基準を主な内容としています。
セレントの最新レポート「日本の決済システムの動向 パート1」では、決済システムの動向について、激動の欧州市場の経緯を踏まえ、日本市場の現状と今後について展望しています。
出典:セレント
「欧州におけるダイナミックな決済システムの合従連衡は、金融市場インフラの健全性向上の観点のみならず、新たな枠組みでの競争力強化を促す背景と考察されます。クローバルな決済システムは、国家を超え、地域間連合レベルでの規制と競争の枠組みを提供し、決済サービス事業者のイノベーションを促しています。一方、アジア太平洋地域では、こうした欧州の激動する金融市場インフラ環境に比して極めて平穏で、競合と協業の大津波は未だ波及していないと言えます」とア ジア金融サービスグループのシニアアナリスト、柳川英一郎は述べています。
本パート1では、決済システム、決済サービスを考察する上での枠組みを提示した後、グローバル動向を調査し、日本の決済システムのこれまでの歩みと、金融危機への対応、今後の取り組み課題などを展望しています。続くパート2では、日本の決済システムの中核たる「日銀ネット」の更改を通じて、永続する頑健な決済システム構築に向けた国家レベルでの取り組 みと、決済サービス関連事業者の取り組みを論述する予定です。
本レポートは、日本の決済システムに関する一連のレポートの第1弾です。52p、28図と18表で構成されています。