シリーズ ポートフォリオシステム市場動向2006年:リスク分析・デリバティブ対応のフルスイート製品
Abstract
セレントの予測では、北米ポートフォリオシステムの市場規模は2008年に9億7,300万米ドル(約1,130億円)に達する見通しです。このうち約2億4,300万米ドル(約283億円)は、ヘッジファンドの投資によるものでしょう。
かつてデリバティブ投資には用心深い姿勢を見せていた伝統的アセットマネジャーが、ここにきて採用の動きを強めています。このような動きやヘッジファンド の成長を背景に、先進的なリスク分析機能やフロントからバックオフィスまで一連のデリバティブ処理機能を備えた新しいタイプのポートフォリオシステムが確 実に台頭してきました。セレントの最新レポート「シリーズ ポートフォリオシステム市場動向2006年:リスク分析・デリバティブ対応のフルスイート製品」は、こうした特性を備えた幾つかのポートフォリオシステムを紹介しています。
先進的なリスク分析やデリバティブ処理の機能を持たないポートフォリオシステムの成熟した市場において、投資銀行分野から進出したクロスボーダー・ベン ダーが伝統的プロバイダーを脅かしていることがわかりました。しかし、新規参入組が提供するバイサイド向けの製品は、上場銘柄のオーダ・ルーティング、コ ンプライアンス、エンド顧客サービスといった分野の包括的機能を満たしていないケースもあるようです。
北米の伝統的アセットマネジャーとヘッジファンドによる
ポートフォリオシステム投資
セレントの推測では、北米における2005年のポートフォリオシステム関連投資は9億300万ドル(約1,050億円)に達した見込みです。世界的な投資自動化の促進、内部管理の必要性、マルチアセットに対応するプラットフォームの高コスト化、ヘッジファンドの要求などを牽引力に、2008年にはこの投資額はさらに9億7,300万ドル(約1,130億円)まで拡大するでしょう。尚、投資額全体の80%は伝統的なアセットマネジャー、残りの20%はヘッジファンドが占める見込みです。
「ヘッ ジファンドには、テクノロジー採用に当たって幅広い選択肢があります。小型ヘッジファンドは、プライム・ブローカー、新規または既存のテクノロジー・プロ バイダー、古くからのファンド・アドミニストレーター、テクノロジーとビジネス・プロセス・アウトソーシングの両方を提供する新規参入業者などに引き続き 頼ることもできれば、ヘッジファンド向けアウトソーシング機能を立ち上げた巨大投資銀行(バルジブラケット)やマネジメントコンサルティング会社のサービ スを選ぶこともできます。まるで王様のような立場にいるのです」と、セレントのシニアアナリストで本レポートを執筆したデニース・バレンタインは 語っています。「さらに、商品ラインの統合や多様化を繰り返す伝統的なアセットマネジャーは、マルチアセットに対応可能なシステムへの関心を強めていま す。このようなソリューションは、組織全体に導入することができ、複数の投資チームの多様で変化するニーズに対応できます。」
レポートでは、Calypso Technology、FNX Solutions、Imagine Software、Murex、Sophis、SunGard FRONT ARENAが提供する製品の特性を紹介、その内容を比較しています。また、Advent Software、Beauchamp Financial Technology、Integrated Business Systems (IBSI)、Linedata Services、SS&C Technologiesなど、リスク分析機能を持たない製品を提供するベンダーの概要も紹介しています。
本レポートは、ポートフォリオシステムに関するシリーズの第3弾です。同シリーズとして、これまで、「シリーズ ポートフォリオシステム市場動向2005年:FIX対応の統合トレーディングシステム」と「シリーズ ポートフォリオシステム市場動向2005年:中間サービスプロバイダー市場」の2本のレポートを発行しています。
今回のレポートは、9図と12表を含む全41ページで構成されています。