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リモート・キャッシュ・キャプチャー導入の時機到来

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2009/03/25

Abstract


現金流通量の拡大が続く中、商業者の間では現金受領コストの一部をリモート・キャッシュ・キャプチャーに振り向ける動きが広がりつつあります。


セレントの最新レポート「リモート・キャッシュ・キャプチャー導入の時機到来」は、現在急速に拡大しているサービスに注目しています。これは、店頭で安全かつ有効に現金を受領および還流する機能(スマートセーフ)のほか、情報伝達や暫定的な与信供与の機能も備えたツールです。米国では、商業者のキャッシュサイクルの管理を向上させる手段として既に15年近くもリモート・キャッシュ・キャプチャー(RCC)が使われてきました。

セレントの推計では、米国で導入されている「スマートセーフ」は25,000台程度に上るとみられます。そのうち約15,000台は加盟銀行から暫定的な与信を得られるクローズド・ループ・システムです。加盟銀行の増加と商品の改善を背景にRCCの拡大は続き、2012年までに年間6,000〜10,000台が新規導入されると予想されます。

銀行が商業者の所在地で流通する通貨建てで暫定的な与信を提供するようになったのは、比較的最近のことです。この結果、金利上昇とスマートセーフの導入が促進されました。加盟銀行が暫定的な与信を供与することで、商業者によるRCC導入の投資対効果が大幅に改善しています。しかし、フロート・ベネフィットの拡大は派生的なものです。暫定的な与信を供与することによる最大の効果は、商業者の社内また商業者、宅配業者および銀行支店ネットワークの間でキャッシュサイクルの大規模な再構築が可能になることです。その過程でRCCを採用することにより、これまで一向に自動化が進まず銀行支店の従業員の手に委ねられていた現金取り扱い業務が大幅に削減されます。すなわち、商業者にとって投資対効果が得られれば、RCCは常にあらゆる面でメリットをもたらすといえるでしょう。

出典:セレント

「RCCは、協調的なサービスの提供を可能にするための革新的な方法です。従来、銀行、金庫メーカー、現金輸送業者はそれぞれ個別に業務を行っていました。しかし今ではこれらが協力することで、これまで旧態依然として間違いの起こりやすかった多くの業界のキャッシュサイクルが大幅に効率化されています。ただし、RCCの普及はさほど広がっていません。経済およびシステム上の問題が普及の阻害要因になっています」と、セレント銀行プラクティスのシニアアナリストでレポートを執筆したボブ・ミーラは述べています。とはいえ、現金受領コストや参加者の最終処理コストを削減する上で、RCCは重要なメカニズムとなるでしょう。

レポートではまず米国における現金決済の現状を概説した上で、銀行と商業者の双方にふさわしい現金輸送の背景について考察しています。また、RCCについて分析するとともに、価値連鎖に関わる全ての当事者に対する価値提案を示しています。そのうち銀行向けの価値提案は、BBVA Compassのケーススタディを通じて明らかにしています。さらに現金輸送業者や商業者に直接販売を行うハードウェアメーカーのソリューションを比較しています。最後に、RCCの今後の普及見通しについて説明しています。

本レポートは17図と12表を含む全46ページで構成されています。