法人向けモバイルバンキング:変化の時
Abstract
米銀のトップ25行のうち8行は2008年に法人向けモバイルバンキング・ソリューションの採用を予定しており、2009年末までには同様のソリューションを手がける銀行はさらに14行に増える見通しです。
キャッシュマネジメントは転換期にさしかかっています。アプリケーションは概ね成熟し、顧客の厳しいニーズに合わせて様々なコア機能を提供しています。しかし、まだまだ改善の余地が大きいのも事実です。法人顧客は常に銀行に対して効率性向上のための革新的な手法を求めています。銀行側は一段と取り組みを強化する時期にきています。最近はリテール向けモバイルバンキングの可能性ばかりに関心が向けられ、法人向け市場はほとんど注目されていません。
セレントは最新レポート「法人向けモバイルバンキング:変化の時」で、モバイル機器が業務姿勢、行動、生産性にいかに影響を与えているかを検証しました。モバイル分野の動向は、法人ユーザーに様々なビジネス機会をもたらしています。企業が新しいモバイル機器を導入するたびに、企業内カルチャーや行動に変化が生じます。法人ユーザーはモバイルテクノロジーの利便性や柔軟性に敏感なため、モバイルバンキングサービスの利用者として最適といえるでしょう。機器の進化、「BlackBerry」マニア(BlackBerry:欧米でビジネスユーザーに人気の携帯端末。携帯と既存のメールサーバーを統合できる。Blackberryマニアはその端末を常時覗き込んでいる人のこと)、高速ネットワークなどが法人向けモバイルバンキングサービス利用促進の追い風となるでしょう。また、早期参入組ベンダーとの競争、新たなベンダーソリューションの投入、企業のニーズなども後押しするでしょう。流れに敏感な銀行による予測や顧客からのフィードバックによると、トップ銀行25行のうち8行が2008年にソリューションの投入を計画しており、2009年末までに何らかの形でこの分野に参入する銀行は合わせて14行に増えるとみられます。
本レポートでは、銀行が法人向けモバイルバンキングに時間がかかっているのはなぜかを考察し、また、モバイルバンキングの潜在的な特性や機能の詳細な説明、モバイルバンキングテクノロジーの分析、ベンダーマーケットの現況(キャッシュマネジメントおよびモバイルバンキング)なども取り上げています。レポートの最後には、米国の金融機関として初めて商業銀行向けモバイルバンキング・ソリューションへの参入を発表したWells Fargoのケーススタディを掲載しています。
「モバイルアクセスは今日の法人向けキャッシュマネジメントに必然かつ革新的な付加サービスといえます。規模を問わず、企業側からのモバイルサービスの利用を始めたいとの声は既に高まっています。銀行はこうしたサービスの提供を、市場ニーズへの対応、競合相手が多く成熟したこの業界での競争力の維持といった点からも迫られています。今こそ法人向けモバイルバンキングサービスを始める時です」とセレントのシニアアナリストでレポート執筆者のジェイコブ・イエーガーは述べています。
本レポートは9図と2表を含む全25ページから構成されています。