大規模銀行向け勘定系ソリューション:グローバルな展望
Abstract
勘定系システムは、銀行の業務処理の中枢を担っています。銀行はソフトウェアベンダーの協力を得ながら、トランザクション処理にインターネット技術を活用する可能性を探ってきました。
かつて紙ベースで行われていた処理の大半は電子化され、自動化による効率性や生産性の向上がさかんに叫ばれるようになりました。勘定系システムは常時稼働し続け、銀行業務やインターネット・バンキングの取引をサポートしています。
セレントは最新レポート「大規模銀行向け勘定系ソリューション:グローバルな展望」で、主に大規模銀行向けに設計された様々なソリューションを比較しました。また、世界の大規模銀行をサポートする勘定系ソリューションベンダーの一覧を作成しました。セレントでは、預金残高(加重平均ベース)が200億ドル(約1.8兆円)を超える銀行向けのソリューションを大規模銀行向け勘定系ソリューションと定義しています。本レポートでは、北米以外においても10%以上普及しているソリューションを取り上げ、セレント独自のABCDベンダービューを使ってこれらをランク付けしました。
出典:ベンダー注:Oracle FLEXCUBEとTCSBaNCAの顧客に関する資産規模内訳は入手できなかった。
「大規模銀行の多くは、多数の異なるソリューションを採用しています。その背景には、専門的なソリューションを必要としていること、合併や買収を通じてシステム統合が繰り返されたことなどがあります。今ではSOAに対応可能な勘定系ソリューションを選択する銀行が増えています。既存の全てのソリューションと柔軟に統合できる上、インフラの一元化を図ることも可能だからです」とセレントのアナリストでレポートの共同執筆者のラジェッシュMRは述べています。
「世界の大規模銀行が勘定系システムの導入を検討する際には、特性や機能だけでなく統合のしやすさやアーキテクチャについても考慮します。このクラスの銀行は、ソフトウェアそのものより、統合やカスタマイズ化の容易性の方をはるかに重視しています」とセレント・バンキンググループのシニアバイスプレジデントで共同執筆者のバート・ナーター は述べています。
注)ドルから日本円への換算レートは、2010年1月31日の仲値(三菱東京UFJ銀行公表による)を参照。
本レポートは勘定系をテーマにしたシリーズです。シリーズの既刊レポートには「小規模銀行向け勘定系ソリューション:グローバルな展望」、「中規模銀行向け勘定系ソリューション:グローバルな展望」があります。
このレポートは19図と32表を含む60ページで構成されています。