新しいリテールバンキング・アーキテクチャの実現に向けて
2022/12/16
Abstract
嘗てコアバンキングシステムは、リテールバンキング部門が規模の経済を実現する能力に革命をもたらした。しかし、このように当初は重要なイネーブラーだったものが、現在のデジタル世界では成功を阻害する要因となっている。従来のコアバンキングシステムは、顧客よりも商品を中心に据えた構造的な設計を押し付けるものであることから、柔軟性に欠け細分化されたプロセスとなっており、新しいビジネスチャンスや顧客の需要を満たすために迅速にイノベーションを図ることができない。
これを受け、最近ではほとんどの既存の銀行がデジタルトランスフォーメーション(DX)プログラムに着手しており、多くの場合、最新のデジタルバンキングプラットフォームを構築し、強力なフロントエンドのエクスペリエンスを提供することに注力している。しかし、デジタルの世界で運営するには、デジタル化されたエンドツーエンドの商品とサービスの提案が必要であるという認識が高まっている。レガシーの最新化は、新しいデジタル機能の構築と同様に重要であり、現在は多くの銀行が新しいCBSプラットフォームを評価・検討している。
しかし、最新化を進めるにあたり、対処すべき重要かつ基本的な問題がある。それは、最新のデジタルバンクを可能にするためには、何を「コア」に据えるべきかという問題である。
本レポートでは、アーキテクチャーのトレンドについて調査し、クラウドネイティブかつマイクロサービスベースでAPI駆動型のアーキテクチャーが、将来の最先端銀行のバンキングプラットフォームに与える影響について検証する。