2012年 金融業界の現状レポート:事実上の金融危機:なぜ金融仲介は機能しないのか
2012/02/08
The Real Financial Crisis: Why Financial Intermediation is Failing
Abstract
オリバー・ワイマンは、今年で15回目となる年次レポート「金融業界の現状レポート:事実上の金融危機:なぜ金融仲介は機能しないのか」を発行しました。レポートでは、借り手と貸し手を仲介する金融システムが機能不全に陥っている状況を検証し、その原因と銀行、保険会社などの金融機関や、年金基金、投資家および政策担当者に及ぼす影響を分析しています。
レポートでは、実体経済で長期資金の不足が深刻化しつつあり、今後もその傾向が強まるとの懸念を取り上げ、貸し手と借り手のニーズのみに注目すればこうした問題は発生しないはずであると指摘しています。政府や企業が必要とする長期資金は、家計が貯蓄する老後資金によってほぼ賄うことができます。しかし、長期預金の魅力的な商品が少ない上、流動性選好、金融機関の信頼性低下、預金の課税率が固定資産税や消費税より高いことなどを背景に、家計の長期預金残高は極めて低水準にとどまっています。
またレポートでは、規制当局や金融機関に向けて、こうした世界的な状況の影響を最小限に抑えるための提言も行っています。