アセットマネージャーの手数料・費用管理
Abstract
このところ金融当局や投資家から投資運用の透明性を求める圧力が強まっており、アセットマネージャーは新たな課題に直面しています。ほとんどのアセットマネージャーにとっては、新たな義務を果たすべきか否かということより、これをいかに履行するかという点が問題となっています。徹底したトラッキング、第三者との取引に関する予算計画や報告書の作成、手数料および費用管理を実践するためにはシステムの使用が不可欠です。セレントの最新レポートは、これらの課題を解決するための包括的ソリューションとして、エズ・キャッスル・ソフトウェア社の「コミッション・オプティマイザー」を紹介しています。
レポートでは同ソリューションを導入した2つの金融機関を取り上げ、手数料・費用管理を巡る昨今の課題が同ソリューションによっていかに解決されたかについて検証しています。その中では、「コミッション・オプティマイザー」の特徴および機能の概要をまとめたうえで、アセットマネージャーの運用受託者としての(法的および黙示的)責任履行を支援する機能、最終顧客の満足度向上を図るための機能、社内管理および予算決定を支援する機能などについても紹介しています。
「最近たびたび報じられる投資運用会社の不祥事は、業界の透明性と信頼性の向上を喚起させるきっかけとなるものです。不正行為が疑われる会社を名指しして責任を追及すれば解決するむというものではありません。これは、業界全体および大部分の健全な同業者の評判に関わる問題です。したがって、彼らは自ら先頭に立って積極的な積極的な対応を見せる必要があります。業界に対する投資家の信頼を取り戻すためには他に方法はないでしょう」と、セレントのアナリストで本レポートの著者であるデニース・バレンタインは述べています。
透明性と信頼性の向上を実現するためにとりくむべきこととして、以下の点が挙げられます。
• トラッキング、報告書作成、運用分析を一元化するための社内管理体制を確立する。
• ベンダー、カウンターパーティー、非競合情報などを開示する。
• 特定のサービスに伴う顧客の受益状況に関する説明および報告を行なう。
• ソフト・ダラーに関する正式な委員会を設置し、社内各部門の代表者を参加させる。
• ソフト・ダラーの利用は、正当な根拠に基づく倫理的なものとする。また、提供されるサービスが投資プロセスに直接的かつ明確な利益をもたらす場合に限り、法の精神および実際の法令に準拠した形で行なう。
手数料の管理は、コスト管理、業務管理、トレーダーの注文執行、投資プロセスの成功と密接に結びついているだけでなく、最終的には顧客満足度につながるものです。したがって、そのプロセスは正確で、主体的かつ包括的であることが求められます。業界の議論や当局の見解では、アセットマネージャーが顧客の要求に応じて作成する報告書には必要な開示情報を詳細かつ正確に盛り込む必要があるとしています。