リスク関連業務のイノベーション: セレント・モデルリスクマネジャー2022の視点から見た概況
2022/06/17
リスク機能のデジタル化が勢いを増している
Abstract
金融機関の顧客対応機能は、ビッグデータ分析、人工知能、クラウド、APIなどのデジタルテクノロジーによってすっかり様変わりした。現在、リスク部門はこれらのテクノロジーを活用してバックオフィスのデジタル化に取り組んでいる。セレント・モデルリスクマネジャー・アワード2022における重要ポイントは、多くの金融機関が次世代テクノロジー、特にビッグデータ分析と人工知能を活用し、クラウドとAPIでサポートされたソリューションをさまざまなリスク機能に採用して、リスク関連業務のデジタルトランスフォーメーションを推進していることだ。
コロナウィルスによるパンデミックに加え、さらに別のブラックスワンイベント (予期せぬ衝撃的な出来事) であるウクライナ紛争に伴い、金融リスク、業務リスク、金融犯罪対策において幅広い全社的な取り組みが必要となってきている。最近はサイロ化したリスクの統合、拡大/ 代替データセットの活用、人工知能の運用がリスク機能において重要視されており、それらは上記の危機による直接的な影響と事後の影響に対応するリスクチームを支えている。