コーポレート・アクションの自動化: 成熟するベンダー市場
Abstract
金融機関が、コーポレート・アクションの自動化に向けた投資を拡大しています。セレントの予測では、こうしたプロジェクトへの投資額は2006年から2010年までの5年間で、累計約9億8,800万米ドル(約1,150億円)に達する見込みであり、コーポレート・アクションの自動化は現実味を増すでしょう。
コーポレート・アクションの自動化は大きく前進してきました。しかし、本格的な自動化の実現には包括的なソリューションの導入が不可欠です。セレントの見 解では、目下最大の懸念は、コーポレート・アクションに関する統一データ標準の欠如にあります。コーポレート・アクションの情報は不確実あるいは不完全で ある場合が多く、金融機関の多くは複数のソースからデータを入手しています。データを修正・統一するためには、時間のかかるマニュアル作業を介在させざる を得ません。したがって、データを標準化するだけでも、コーポレート・アクション処理のSTP比率は向上するでしょう。
「業界のプロジェクトには明らかな失敗例もありますが、世界的にもバックオフィス業務の標準化の進展に貢献し続けています」と、セレントのアナリストで最新レポート「コーポレート・アクションの自動化‐成熟するベンダー市場」を執筆したデビット・イーストホープは述べています。「最も注目に値するのは、世界中のコーポレート・アクション業務担当者や経営幹部がISO 15022の標準化に対する関心をますます強めていることです。」
本レポートでは、セレントのABCDベンダービュー(4つの基準に基づくベンダー評価方法)を使ってコーポレート・アクション自動化ソフトウェアの有力プロバイダーを評価しています。また、投資トレンドを明らかし、業界全体のコーポレート・アクション自動化の進展状況を検証しています。
XcitekやTCSなど現時点における一握りの米国トップベンダーは、Information Mosaicのような海外ベンダーだけでなく、新たにCheckFree、SmartStream、GoldenSourceといった米国内の新規参入組からの攻勢に直面していることが、今回わかりました。
競争が激化する中、ベンダーにとって明るいニュースは、需要増とベンダーソリューションの多様化に伴い、コーポレート・アクション自動化プロジェクトの投資 総額が拡大する見通しであることです。有力ベンダーは、この投資拡大による恩恵を享受するでしょう。また、自社開発のソリューションではなくサードパー ティのプロバイダー製品に、多くの金融機関の目を向けさせるでしょう。
本レポートは、コーポレート・アクションの自動化とSTP比率の向上を目指す金融機関に向けて、プロジェクト計画やベンダー評価の予備的指針を提示するものです。レポートで詳しく分析したベンダーには、コーポレート・アクションの全ライフサイクルをカバーするサードパーティ・アプリケーションのベンダー(ADP Wilco、CheckFree、GoldenSource、Information Mosaic、Mondas、SmartStream、TCS、Vermeg、Xcitek)と部分的なプロセスのみに対応するソリューションのベンダー(Asset Control、ADPのサービス・ビューロ、Advent、CCH、Infosys)が含まれます。
今回のレポートは、2004年4月発行の弊社レポート「コーポレート・アクション自動化に関するベンダー調査」のフォローアップとして書かれたものです。
レポートは18図と11表を含む全64ページで構成されています。