オープンバンキングにより、欧州において新たなリテールバンキングの提案が可能に
2020/10/01
TPPエコシステムからの教訓と課題
Key research questions
- 欧州においてオープン・バンキングが推進しているTPPの商品・サービスとは?
- TPPが対応しようとしている顧客のペインポイントとは?
- TPPはいかにして銀行から預金業務や融資業務を獲得しようとしているか?
Abstract
サードパーティプロバイダー (TPP) は、欧州においてリテールバンクの融資/ 預金/ 決済の収益への直接の脅威となっている。TPPは、口座集約や金融管理アプリを提供しているに過ぎないと見ることもできるが、それはまるで見当違いである。多くのTPPは、既存の銀行から決済取引量、融資/ 預金業務を獲得することに焦点を当てたビジネスモデルやサービスを提供している。ほとんどの場合、これらのサービスは銀行が既に所有している顧客データ資産や決済商品を活用している。
オープン・バンキングは依然として初期段階にあり、銀行が対応する時間は残されている。しかし、対応できる時間は急速に終了しようとしている。TPPは競争上の問題となる可能性があると同時に、イノベーションのパートナーとなる可能性もある(多くのTPPは既に銀行と連携したり、銀行を投資家としてカウントしている)。更にこのレポートで取り上げられているほとんど全ての商品は、金融機関に模倣される可能性がある。銀行はオープン・バンキングがもたらす機会を活用すれば、オープン・バンキングから間違いなく最大の利益を得ることができるということを忘れてはならない。
本レポートでは、欧州のTPPが現在取り組んでいる以下の5つの顧客のペインポイントをカバーする15の商品・サービスを取り上げている。
- 集約と可視化:"財務状況の理解をサポートしてほしい"
- 援助とサポート:"予算を立て貯蓄するサポートをしてほしい"
- 経済的なメリット:"財産を増やしてほしい"
- 融資:"低コストの融資にアクセスするサポートをしてほしい"
- 決済: "決済をより安く又はより簡単にしてほしい"
このような状況において本レポートは、TPPセグメントの競争上の問題を評価するためのフレームワークを銀行に提供し、取引データおよび口座データの分析に関連した革新的な多くのユースケースも紹介している。
(詳しい情報は、セレント北川俊来TKitagawa@celent.comまでお問合せください)