ORION社のREDTAIL社買収は、シームレスなオールインワンプラットフォームを実現することにより、業界に変革をもたらすか?
Abstract
OrionはRedtailを買収したことで、登録投資アドバイザー (RIA) とエンタープライズ企業の両方に最も包括的なオールインワンプラットフォームを提供するプロバイダーというポジションを手に入れた。この最近のニュースはウェルスマネジメント業界を揺るがし、Orionの将来の計画とより広範な業界への潜在的影響について憶測を引き起こした。ここではRIA、エンタープライズ企業、プラットフォームプロバイダーとの対話をもとに、重要ポイントを示す。
一見するとRedtailの買収はOrionのオールインワンのスイート製品を完成させ、より広範なプラットフォームの顧客を獲得することにすぎないように思われる。たしかにそうなのだが、セレントはこの買収の背景には、より深く考え抜かれた戦略があると考えている。
Redtailの買収がOrionにもたすもの:
1. RIAおよびブローカー・ディーラーのチャネルにおけるポジションの強化。Orionは、追加プラットフォームサービスの絶好の対象である多数の新たな見込み客にアクセスできる。RedtailとOrionのユーザーは約30%が重複しており、70%のユーザーは追加プラットフォームサービスのクロスセルに適している
2. Orionのオールインワンプラットフォームサービスの完結。CRMシステムの追加により、OrionはRIAやエンタープライズ企業にウェルスマネジメント機能が完全に揃ったパッケージソフトを提供できる。さらに、データ統合/ オーケストレーション/ 管理機能も強化される
3. より緊密なエンドツーエンドの統合、効率的なワークフロー、より堅牢なデータへのアクセスを通じて、アドバイザーに確実にストレスフリーな経験を提供できる能力
4. アドバイザーは選択肢を求めているという考えに基づき、アンバンドル可能なより強固なウェルスマネジメントサービスを提供することで、より広範なターゲット市場 (オフ・ザ・シェルフでベスト・オブ・ブリードなモジュールタイプのコンポーネントを求めている顧客など) にアピールできる
5. 業界プレーヤーは、プラットフォームソリューションに関する現在の戦略を再考または加速せざるを得なくなる
Orionは新たに加わったCRMを活用して、業界を変革する可能性を秘めたより機能強化されたソリューション (アドバイザーのストレスフリーなワークフロー、より緊密な統合、プラットフォーム全体におけるデータ共有、ベスト・オブ・ブリードでコンポーネント化されたサービスなど) を提供する好機をつかんだのである。