ヒストリカルデータサービス
Abstract
マーケット情報サービス業界では、ヒストリカルデータサービスが著しい成長を見せています。
金融業界における規制の強化やコンプライアンス要件の複雑化、バックテストの重要性の高まりを受け、ヒストリカルデータは引っ張りだこの必須アイテムとなりつつあります。
本レポートでは、近年急激に成長しているヒストリカルデータビジネスを取り上げます。取引所取引の世界で近年、ヒストリカルデータサービスが一気に開花し、今では競争も激しく、コモディティ化も進んでいます。
その一方で、OTCデリバティブやエキゾチックな金融商品については、その複雑性からデータの入手や配信がますます難しくなっています。米国での規制要件の強化、スワップ執行ファシリティの導入、OTCデリバティブ取引の標準化及び清算集中化に伴い、ヒストリカルデータへの需要はさらに高まるでしょう。
ヒストリカルデータの最大の市場は北米で、その後に欧州・中東・アフリカ地域、そしてアジア太平洋地域が続きます。また、北米と欧州・中東・アフリカ地域は最大のOTCデリバティブ市場でもあります。
「ヒストリカルデータサービスベンダーには幾つかタイプがあり、後から参入した大手ベンダーは、よりエキゾチックなものや新興市場のデータセットに特化したサービスを提供し、他社サービスとの差別化に取り組んでいます」とセレント証券グループのシニアアナリストでレポートを執筆したアンシュマン・ジャスワルは述べています。
このレポートでは、ヒストリカルデータ市場におけるベンダーの勢力図を考察し、導入方法や価格モデルに関するユーザーの選好をはじめ、マーケット情報サービスへの投資を促進する要因、優先順位を分析します。また、ヒストリカルデータプロバイダーについて、市場でのプレゼンス、商品/サービスの範囲や種類、価格を含む市場戦略を詳細に検証します。