ソルベンシーⅡ:その概要と保険業界への影響
Abstract
ソルベンシーⅡの施行に伴う課題を好機と捉える保険会社は、①自社のITアーキテクチャの調整②戦略的資産としてのデータ構築③最新のITリスク管理ツールの導入④スムーズなコミュニケーションの促進―に注力すべきでしょう。
セレントの最新レポート「ソルベンシーⅡ:その概要と保険業界への影響」は、世界の保険業界と規制に何が影響を及ぼしているかに焦点を当てました。同レポートではソルベンシーⅡの適用を受ける保険会社が遵守すべき最新の規制要件を明らかにし、それらが保険会社に及ぼす影響について考察しています。
欧州の保険会社がソルベンシーⅡ対策として新たに立ち上げるITプロジェクトの予算は、全体で7~8億ユーロ(約1100億円~1250億円)と予測されます。現在、欧州の保険会社はIT予算の平均4%をコンプライアンス関連のプロジェクトに振り向け、また、IT予算の40%を新規プロジェクトに投じており、そのうち7%がコンプライアンス関連プロジェクトです。ソルベンシーⅡの施行期限が近づくにつれ、保険会社はコンプライアンスや管理に関する新規ITプロジェクトにより多くの資金を投入すると予想されます。今後3~4年は、こうした新規プロジェクトに配分されるIT予算の比率が増え続けるでしょう。
「ソルベンシーⅡは新たな投資ブームのきっかけとなる可能性があります。ソルベンシーⅡの施行に伴う課題を好機と捉える保険会社は、セレントが提示する『Technology Foundations of Advantage』に沿った新規プロジェクトを立ち上げることを提言します」 とセレント保険プラクティスのシニアアナリストで上記レポートを執筆したニコラス・ミシェロッドは述べています。
レポートでは、ソルベンシーⅡが欧州の保険会社のIT投資に及ぼす影響と、それに伴って実施される可能性のあるITプロジェクトについて論じています。
本レポートは14図と2表を含む26ページで構成されています。
注)ユーロから日本円への換算レートは、2008年3月31日の仲値(三菱東京UFJ銀行公表による)を参照。