リスク管理とバーゼルⅡを巡る状況: 金融/信用リスクソリューションのベンダー比較評価
Abstract
(このレポートは2006年2月22日に"Risk Management and the Basel II Game: Comparing the Financial and Credit Risk Solution Vendors"というタイトルで英文で発表されましたが、和訳版を2006年8月7日に発行しました。)
セレントは、金融/信用リスクシステムを求める金融機関に向けて、市場に流通している多種多様なソリューションやサービスと自社のニーズを十分に照らし合わせて検討することを提言します。
金融リスクを巡る管理プラクティスの統一化を促す圧力によって、リスク管理の予算は増加傾向にあります。これを受けて、金融機関によるリスク管理ソリューションへの投資額も増加しています。各金融機関にとって、バーゼルⅡ対応ソリューションの主要機能(自己資本の算出、報告書作成、データ・ウェアハウス、データ管理ツールなど)だけでなく、資産/負債管理、リミット管理、信用評価といった業務をサポートする「付随的な」アプリケーションの重要性も、今後さらに増していくでしょう。
セレントは最新レポート「リスク管理とバーゼルⅡを巡る状況:金融/信用リスクソリューションのベンダー比較評価」で、ベンダー7社の商品を比較・評価しています。レポートでは、バーゼル合意関連のソリューションを巡る市場の現状を調査し、金融機関によるバーゼルⅡ要件の準拠をサポートする革新的なベンダーについて検証しています。また、いち早くバーゼルⅡ対応ソリューションを購入した金融機関から得た教訓についての考察も加えました。
金融/信用リスクやバーゼル合意関連のソリューションを提供するベンダーは数社ありますが、そのバックグラウンドは多岐にわたっています。リスク管理の分野に「新規」参入したベンダーがある一方、複数分野をカバーする機能を提供するベンダーもあり、ソリューション市場は複雑化しています。
「ベンダーやソリューションの特性は実に様々です」と語るのは、セレントのアナリストで本レポートを執筆したキュビラス・ディンです。「この分野のプロジェクトには大規模な投資が必要となることから、バーゼルⅡの適用が義務付けられていない欧州以外の地域の金融機関では、特に自社のリスク管理に対する理想と、アプリケーション機能、テクノロジー・アーキテクチャ要件、そして様々な国や事業分野におけるベンダーの能力を巧く結びつけようとする、強い傾向が見られます」とディンは付け加えています。
さらに、セレントのアナリストでレポートの共同執筆者であるローレン・ベンダーは次のように述べています。「現在入手可能なベンダーソリューションをみる限り、金融機関には、ベスト・イン・クラスのコンポーネントを選んで既存の機能を補強する方法から、ベンダーと緊密に連携しながらバーゼルⅡ準拠に向けた開発や管理を行う方法まで、幅広い選択肢が与えられています。」
当レポートは、弊社レポート「リスク管理とバーゼルⅡ(新BIS規制)を巡る状況:市場動向途中経過(2005年11月発行)」をフォローアップし、その内容はバーゼルⅡ関連ソリューションのテクノロジー面に焦点を当てています。また、金融機関がバーゼルⅡの適用に向けてプロジェクト計画やベンダー評価を進める際の予備的指針となることを意図しています。尚、このレポートで詳しく分析したベンダーは、Algorithmics、Fermat、i-flex Reveleus、 Misys Almonde、SAP、SAS、SunGardの7社です。
レポートは27図と14表を含む全70ページで構成されています。