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2014年 コーポレートバンキングのトップトレンド:変化し続けるビジネス【抄訳版】

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2014/04/24

Abstract

(このレポートは2014年4月に"Top Trends in Corporate Banking 2014: There Is No Business As Usual" というタイトルで英文で発表されましたが、抄訳版を2014年7月7日に発行しました。)

セレントでは毎年、世界各地のアナリストが主要地域におけるリテールおよびホールセール・バンキングのトップトレンドをとりまとめています。

セレントのアナリストが1年間に手がけるテーマやトレンドは極めて広範囲にわたるため、必然的にその全てをレポートとして発表することはできません。そこで、セレントのバンキングブログで取り上げたり、セレント顧客の特権の一つであるアナリストアクセス(アナリストとの直接の質疑応答)の際、個別にお話ししたりしています。

本レポートで取り上げたテーマは、必ずしも特定の国や金融機関が直面する最重要課題ではありません。しかし、全体として、先進市場が抱える重要課題を比較的正確に反映したものとなっています。

「2013年は多くの点で、コーポレートバンカーとその顧客が通常の活動を取り戻したと感じる年だったと いえるでしょう。世界的に景気回復がようやく本格化し(中国や新興市場ではやや減速がみられる)、それに伴い成長促進を可能にするテクノロジーの最適利用、非効率な業務プロセスの自動化、豊富な情報に基づく意志決定の実現に改めて取り組む動きが広がっています」と、セレント銀行グループのシニアアナリストでレポートを執筆したガレス・ロッジは述べています。

「とはいえ、リスクや規制が課題から外れた訳ではありません。むしろ、21世紀はリスクと規制への対応は銀行にとって通常業務の一部となるでしょう」とロッジは指摘しています。

リスク管理と規制対応は本レポートで取り上げた全てのトレンドに深く関わるテーマですが、コーポレートバンクのシステム投資に関していえば、もはや最重要テーマではなくなっています。むしろコーポレートバンクでは、今後戦略的に参入、投資または撤退する業務を決定するにあたって規制動向(現行の規制と今後施行が予想される規制を含む)をより重視するようになっています。

今回のレポートで取り上げたトレンドの多くは、決して新しいものではありません。中には、法人顧客の効率性向上のように10年以上も前から取り沙汰されてきたテーマも含まれています。これらは、銀行が伝統的および非伝統的金融機関との激しい競争にさらされる中で、改めて喫緊の課題として浮上しています。レポートではより新しいトレンドについても取り上げていますが、予想されていたほど浸透していないのが現状です。コーポレートバンキングの分野では、進化のペースが極端に遅いように思えます。一般に、テクノロジーに対する消費者の期待の変化が破壊的な変革を引き起こすと考えられていますが、この分野ではリテールバンキングに比べて変化のスピードが遅くなっています。それでも、コーポレートバンキングの経営陣にとってそれらは決して無視できない動きといえるでしょう。