資本市場におけるビッグデータ:ビッグアイデアの検索【全訳版】
Abstract
(このレポートは2013年1月24日に"Big Data in Capital Markets: Expanding the Search for Big Ideas"というタイトルで英文で発表されましたが、和訳版を2013年6月6日に発行しました。)
資本市場に参加している金融機関は、毎日膨大な量のデジタルデータを処理、消費および生成しています。各社とも、投資リターンのアルファ値や競争上の差別化を追求するための手掛かりとなる新たなデータを常に模索しています。ビッグデータの分析ツールやテクノロジーを利用することで、金融機関はこうしたデータの捕捉、分析および可視化が可能になり、新たな投資アイディアの収集にもつながります。
セレントの最新レポート「資本市場のビッグデータ:ビッグアイディアの検索」は、ヘッジファンド、ブローカーディーラー、アセットマネジャー、カストディアンに、ビッグデータがどのようなビジネスチャンスをもたらしうるか考察しました。またフロント、ミドルおよびバックオフィス業務におけるビッグデータの有効な活用方法についても考察しています。
キャピタルマーケッツにおけるビッグデータを活用する際のポイントは次の4つと考えます。
- 分析・統計の正確さ、信頼性を向上させる必要性
- 体系化されていないデータや従来のリレーショナル・データベースでは分析できないデータの多さ
- 膨大な量のデータをより迅速に分析・可視化する必要性
- オープンソース・ソフトウェアの普及と、サーバおよびエンタープライズ・ストレージのコストの低下
「資本市場では大量のデータをリアルタイムで処理する必要があるため、ビッグデータへの投資は必然といえるでしょう。金融機関は独自の投資アイディアや戦略を策定するために情報獲得競争を繰り広げており、新たなアイディアを生み出すためにはビッグデータの活用が不可欠になっています」と、セレント証券グループのシニアアナリストでレポートを執筆したビル・ファーンレイ・ジュニアは述べています。
レポートではビッグデータの活用に必要な重要ステップを検証し、資本市場で利用可能な関連テクノロジーの概要を示しています。次にヘッジファンド、ブローカーディーラー、アセットマネジャー、カストディアンなどがフロント/ミドル/バックオフィス業務でビッグデータをどのように利用しているかを論じています。最後にこれらの内容をまとめ、金融機関やベンダー向けの提言を示しています。
本レポートは25p、5図と8表で構成されています。