ベンダーは保険会社の資産運用ニーズに応えられているか:隙間にご注意【全訳版】
Abstract
(このレポートは2014年11月19日に"Mind the Gap: How Vendors/Suppliers Can Meet Insurance Investment Management Operational Needs " というタイトルで英文で発表されましたが、全訳版を2015年3月6日に発行しました。)
全世界の投資可能資産総額は100兆米ドルを超えており、そのうち20兆米ドルは保険会社の投資運用資産です。
元来、保険会社の資産運用や投資管理はリスク回避志向が強く、ポートフォリオの中身もリスクフリーなソブリン債や格付けの高い社債に大きく偏りがちでした。しかし金融危機以降、規制強化への対応、投資リターンの最大化、アセットアロケーションにおける透明性の向上、業務コスト削減の必要性等様々な要因を受け、保険会社のポートフォリオモデリング・構築が変わりつつあります。
現在、全世界の投資可能資産の大半は、米国や日本、イギリスの保険会社の運用資産が占めています。この現状に加え、インド、アジア太平洋地域で中産階級における保険ニーズが急激に増加していることから、保険会社の投資運用資産はますます増加し、投資管理の必要性も高まる一方と見られます。
「保険会社の運用資産額は全世界で20兆米ドルに達しています。保険会社の資産運用マネージャーは、更なる規制強化の下、既存の運用資産をヘッジファンドやプライベートエクイティ、その他オルタナティブ投資商品に再配分し、リスクとリターンの最適化を図っています。資産運用会社がこの変化に対応するためには、ミドル/バックオフィス業務の運営方法やシステムのあり方を刷新する必要があります。業務やシステムを丸ごとアウトソーサーに移管する『リフトアウト』を採用するのも最善策のひとつでしょう。」とセレント証券グループのシニアアナリストでレポートを執筆したジェイ・ウォルステンホルムは述べています。
レポートでは、市場の浸透状況や市場参加者について説明します。また、保険会社の投資運用管理を行っているベンダーに向けて、現在及び将来の市場ニーズ、また業界地図を塗り替えるような破壊力を持つ要因に備えるための最良の方法について提言しています。