「モノのインターネット」と生命保険【抄訳版】
Can an Old Industry Learn New Tricks?
Abstract
(このレポートは2014年5月14日に"The Internet of Things and Life & Health Insurance" というタイトルで英文で発表されましたが、抄訳版を2014年7月10日に発行しました。)
世界は絶えず変化し、より一層つながりを持つようになっています。人、場、モノはこうしたつながりを通じて爆発的な量のデジタル情報やデータのやり 取りをしています。こうして蓄積したデジタル情報は保存・分析された上で、予測、フィードバック、管理を行うための材料となります。「モノのインターネッ ト」は生命保険ビジネスに変革をもたらすでしょう。
「モノのインターネット(Internet of Things)」は3つのそれぞれ関連しあう要素、つまり、ネットワークに接続されたセンサー、データストア、分析エンジンから成り立っています。
「『モノのインターネット』の価値は、3つの構成要素を結ぶところから生み出されます。1つは社内外の状態に関するデータと情報で、保険対象に生じる可能性のある危険およびリスクを、より正確に、場合によってはこれまでにはあり得なかった方法で把握できるようになります。2つめは分析結果を価格設定、引受け、保険金請求に関する意思決定の見直しに生かし、また行動やパフォーマンスの変革につなげようとする動きです。3つめはフィードバックおよび指令・請求の制御プロセスで、損失につながる行動を変えるためのものです」と、セレントのアメリカ損害保険グループのディレクターでレポートを執筆したドナルド・ライト は述べています。
レポートでは、「モノのインターネット」が商品設計、価格設定、引受け、サービス、保険金請求といった保険のバリューチェーンに関わる全ての分野にどのような変化をもたらすか論じています。