金融テクノロジーのイノベーション:「FinovateEurope 2014」から
Abstract
「FinovateEurope 2014」では、決済およびデジタルバンキングが引き続き大きなテーマとなりました。バンキングの世界を根底から揺さぶるというよりは、銀行による革新的なサービス提供を支援することに重点を置いた多くのソリューションが登場しました。
「金融テクノロジーのイノベーション:『FinovateEurope 2014』から」は、FinovateEuropeでのプレゼンテーションをもとに、金融サービスのイノベーションに関するテーマと、ここ数年間でそれらがどのように変化してきたかを振り返ります。本レポートでは、FinovateEurope 2014をまとめ、特に興味深いソリューションについて取り上げながら、決済およびデジタルバンキングをはじめとする各分野の主なテーマについて掘り下げていきます。
FinovateEuropeは4年目となる今年も2日間にわたって開催され、67社がソリューションを発表しました。確立した大規模ベンダー、スタートアップ企業、歴史の浅い企業、さらには銀行も参加するなど興味深い顔ぶれとなり、意外にも67社のうち50社はFinovateEurope初登場でした。
「ゴールドラッシュの時代には、ショベルメーカーが儲かったといいます。同様に、電子決済の時代には、決済を迅速に遂行できるようにすることに主眼を置いたプラットフォーム開発企業のデモンストレーションが最も目を引きました。全体として、今年はクラウドが最重要テーマでした。SaaS (サービスとしてのソフトウェア)やクラウドベースのその他のプラットフォームが、伝統的なシステム導入に代わる信頼性の高い手段として台頭しつつあることは間違いありません」とセレント・バンキンググループのシニアアナリストでレポートを執筆したジルビナ・バレイシスは述べています。