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北米における決済データの収益化機会

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2021/10/04

企業が求めるデータ主導型サービスを特定する

Key research questions

  • 北米の法人顧客にとって最優先のサービス向上とは?
  • 銀行業界の収益機会はどこにあるか?
  • 顧客が必要としているサービスを提供しないことにより生じるリスクとは?

Abstract

法人顧客が銀行パートナーに求めていることを理解することが、これまでになく重要になっている。ますます複雑化する業務環境に直面している大手企業は、様々な目的で銀行にサポートを求めている。具体的な目的は企業によって異なるが、ほとんどがコスト削減と業務効率向上という2つのテーマに分類できる。

こうした状況は、もちろん今に始まったものではない。以前から法人顧客は銀行パートナーに対し、より豊富で価値のあるサービス提供を常に促してきた。しかし、現在の市場にはこれまでと異なる点がある。それは、市場の競争が激化する中、顧客が提携できるプロバイダーの選択肢が大幅に増えていることである。そのため現在は、必要なサービスにアクセスするために新たなプロバイダーとの関係を構築するという発想が多くの顧客の間にかなり浸透しており、銀行にとって大きな懸念材料になっている。

こうした状況を受け、銀行は今すぐ行動を起こす必要性に迫られている。今や問題は投資するかどうかではなく、サービスを強化して新しい収益を生み出す一方で既存のビジネスを保護するために、いかにして現状に適応していくかということである。そこで、銀行業界が取り組むべき課題として浮上しているのが、データの収益化、すなわち、銀行が保有するデータ資産を利用して商業的利益を支援するという考え方である。すでに多くの銀行が決済データを活用し、業務効率化や対顧客サービス強化に向けた取り組みを支援しているが、こうしたデータ収益化への関心がここ数カ月で急激に高まっている。

北米で活動する銀行の今後の方向性を理解するために、セレントはカナダと米国の82の金融機関と48の大手企業顧客を対象に一次調査を実施した。目的は、企業が直面している課題と、北米で活動している銀行の具体的な収益機会を特定することである。本レポートは、アジアおよび欧州の法人顧客のニーズに特化した各調査レポートを含む3回シリーズの第二弾である。

北米で活動している銀行に関する主な調査結果は以下の通り。

北米の銀行の79%が、データ主導型サービスに対する顧客の需要が増加していると回答

83%が、決済データを活用して付加価値サービスをサポートする明確な戦略を持っていると回答

銀行の46%が、ISO 20022への移行を企業顧客向けのサービス向上の機会と捉えている

最も重要な点は、企業が費用を支払ってでも受けたいと考えているサービスについて分析することで、銀行業界に以下の複数の収益機会があることが浮き彫りになったことである。

71%が、効率化を実現できるパートナーがいれば、バンキング業務の一部または全部の移行を検討すると回答

企業の33%が、費用を支払ってでも受けたい上位3つのサービスの1つとして、リアルタイムのキャッシュバランスを挙げている

仮想アカウントは明らかな衛生要因になっている。現在、このサービスに費用を支払う意欲は低いが、これにアクセスするために新しいパートナーに乗り換えることを検討する可能性があるとしている企業は36%に上っている。

銀行には何もしないという選択肢はない。収益拡大を実現する分野はいくつかあるが、既存顧客との関係を維持するために投資することも収益の拡大と同様に急務である。