ニューヨーク証券取引所の注文執行クオリティ
Abstract
ニューヨーク証券取引所における電子発注システム(EOB)のシェアは、前回調査を行った2013年9月以降上昇傾向にあり、前回の56%から今回は59%に改善しています。一方、スペシャリストと指定マーケットメーカー(DMM)のシェアは33%で変わらず、マーケットメーカーは10%から7%へとシェアを下げています。
セレントの最新レポート「ニューヨーク証券取引所の注文執行クオリティ」は、2013年10月1日から12月31日までの3ヵ月間に執行された160億件を超える売買注文の分析結果をまとめたものです。セレント証券グループ・シニアアナリストのアンシュマン・ジャスワルが、140の市場参加者を注文執行のスピードと約定価格に基づいて評価し、ランク付けしました。
注文執行スピードと約定価格の改善の両方で評価が高かったのはBATS Exchange、NYSE ArcaおよびBATS Y-Exchangeです。このほかBarclays ATS、Knight Capital (KCG)、Citadel Derivativesも上位にランクされています。
表1はEOBの総合ランキングを示しています。約定価格の改善ではBarclays ATS、NYSE ArcaおよびBATS Exchangeが上位を占めています。注文執行のスピードでもBATS Y-Exchange、NYSE ArcaおよびBATS Exchangeがトップ3を占め、Nasdaq MCとNasdaq BXがこれに続いています。2つのカテゴリーを合わせた総合ランキングではNYSE ArcaとBATS系の2つの取引所が他のEOBをリードしています。
表2はマーケットメーカーの評価を示すもので、約定価格の改善ではバンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ、PershingとCitadel Securitiesが上位を占め、注文執行の平均スピードではクレディ・スイス、Citadel DerivativesおよびE*Trade CMESがトップにランクされています。
スペシャリストとDMMについては、バークレイズ・キャピタル、ゴールドマン・サックスとKnight Capitalが約定価格の改善で他をリードしています(表3)。また、注文執行の平均スピードでもゴールドマン・サックス、Knight Capitalとバークレイズ・キャピタルがトップ3にランクされています。