リテールバンキング人員最適化ソリューション:支店の効率化に有効か?
Abstract
支店の効率性と有効性の向上を目指すなら、人員最適化ソリューションの導入により、比較的簡単に1支店当たり年間20,000~30,000ドル(約155万円~234万円)のコスト削減が可能になります。
人員最適化(WFO)ソリューションは以前からあるコンセプトですが、リテール業務で同ソリューションを採用している金融機関はごく一部にすぎません。これは世界的な傾向ですが、特に米国では、WFOソリューションを使ってブランチチャネルを管理している金融機関は450弱と全体の約3%にとどまっています。しかも、そのほとんどを大手銀行が占めています。
セレントの最新レポート「リテールバンキング人員最適化ソリューション:支店の効率化に有効か?」はWFOソリューションのメリット、予想される導入効果、この分野を手がけるベンダーについて説明しています。
セレントは次の3つの理由から、リテールバンキングにおけるWFOの導入は急速に拡大するとみています。
- リテールバンキングのビジネスモデルは減収により見直しを迫られており、特にブランチチャネルのコスト削減が重要課題になっている。
- WFOソリューションの採用はこれまで大手金融機関に限られていたが、今やSaaS(サービスとしてのソフトウェア)として広く普及しており、導入コストが低減されたほか、社内でのノウハウ蓄積も必要なくなっている。
- ここ1年で、WFOソリューションベンダーはSaaSソリューションとターンキーサービスをパッケージ化し、コスト削減と簡素化をさらに進めている。そのため、中小の金融機関もWFOソリューションの導入に比較的前向きになっている。
「金融機関は規模の大小にかかわらず、コスト削減と同時に支店の収益拡大とサービスの効率化を実現するよう強く求められています。しかし、人員最適化ソリューションという比較的手軽な手段を実践している金融機関は少数にとどまっています。同ソリューションを採用した金融機関では効率性が大幅に向上しているほか、支店業務に対する理解が深まるといったメリットも享受しています」と、セレント銀行グループのシニアアナリストでレポートを執筆したボブ・ミーラは述べています。
レポートでは、最初にリテールバンキングの「ニューノーマル」について簡単に説明し、ブランチチャネルの変革を促す要因を挙げた上でその影響が持続するとの見方を示しています。次に、人員自動化ソリューションの定義と背景を説明しています。また、2つのケーススタディを通じて、WFOソリューションの導入によりブランチチャネルの効率性と有効性の大幅改善を実現した事例を検証します。さらに、WFOソリューションを手がける主要ベンダーを紹介し、比較分析しました。
注)ドルから日本円への換算レートは、2011年7月31日の仲値(三菱東京UFJ銀行公表による)を参照。