保険料の決済はバックとフロントのどちらにとってビジネスチャンスか?
Abstract
保険料の支払いをめぐる現状とトレンドを把握するため、セレントは保険会社や総代理店主(MGA)を対象にオンライン調査を実施しました。その結果、保険会社は自社の決済機能を差別化の機会と捉え、慎重に戦略を練っていることがわかりました。しかし、全ての保険会社が決済を戦略的に捉えている訳ではなく、継続的に調査する必要があります。
KEY RESEARCH QUESTIONS | |
1 | 消費者は保険会社を選ぶ際に決済手続きをどの程度重視しているか? |
2 |
保険会社は決済手続きを顧客対応、バックオフィス機能のいずれと捉えているか? |
3 | どのような保険料支払い方法が使われているか、また支払いの頻度は? |
保険料の決済をめぐる現状とトレンドを把握するため、セレントは保険会社や総代理店主(MGA)を対象にオンライン調査を実施しました。その結果、保険会社は自社の決済機能を差別化の機会と捉え、慎重に戦略を練っていることがわかりました。ただし、全ての保険会社が決済を戦略的なものへとシフトさせている訳ではないとみられるため、継続的に調査する必要があります。
今回の調査では、消費者が保険会社を選ぶ際には利便性が重要な決定要因になるとの回答が目立ちました。中でも支払いのしやすさが重要とされています。回答者の43%以上は決済を顧客経験の1つと捉えているのに対し、31%は顧客サービスの一環と位置づけており、決済が顧客満足度を大きく左右していることが浮き彫りになっています。保険料の支払いの40%強は小切手で、21%は自動決済機関や電子資金決済を通じて手作業で行われています。保険料の支払いは、なおデジタル化を進めている段階です。
「保険会社は既存の決済機能を見直し、顧客やエージェントの利便性、総所有コスト(TCO)、プロセスの最適化などに注目すべきでしょう。」
「決済の単価は大量の決済処理を行う大手保険会社にとっては重要です。しかし、単価は全てではありません。単価を重視するあまり、顧客やエージェントの行動を決定づける要因を見過ごしてしまう可能性があります」と保険プラクティスのシニア・アナリストであるマイケル・フィッツジェラルドは述べています。