日本における決済インフラの動向 パート2:日銀ネット有効活用の行方【日本語】
2019/10/31
Key research questions
- 決済インフラを巡る情勢の変化と日本の対応は?
- 日銀ネットの高度化の狙いと特徴は何か?
- 日銀ネットの有効活用に向けた取り組みは今どこに?
Abstract
本「決済インフラ」シリーズのPart 2では、日本の資金決済システムと証券決済システムの要諦「日銀ネット」を通じて、特にホールセール決済インフラの進展を考察します。Part 1では、全銀システムの拡張(「モアタイムシステム」による稼働時間の延長、「ゼディ」の稼働による金融EDIサービスの提供)を中心に、主にリテール決済インフラの進展を考察しています。
2015年金融審議会における大方針(ワーキンググループ報告書)に従い、日本の決済インフラは着実な前進を遂げています。Part 1で考察している全銀システムの拡張は、そのリテール分野における、金融・IT融合に対応した新決済サービスのイノベーション基盤の拡充とみなされます。Part 2では、日銀ネットの有効利用を巡る議論を通じて、企業の成長を支える決済サービスの高度化について考察します。