新環境に即したバリュエーションへの移行:プレッシャー、プライオリティ、プラクティスおよび展望
Abstract
新しい金融商品や複雑な金融商品のリスク管理、ならびに適切な水準の透明性の実現は、OTC資産のバリュエーションに際してエンドユーザーが直面する最大の問題です。エンドユーザーがより多くの情報を求め、そうした情報へのアクセス改善を要求するようになり、それを実現するためのコストが上昇しています。
信用危機の際に大きな問題となったのは、OTCポートフォリオの価格が大きく変動し、流動性が失われたことでした。市場が混乱するなか、非流動性資産の評価をいかに検証、照合するかといことについての数々の課題が浮き彫りになりました。現況においてもバリュエーションリスクを避ける動きは以前として強く残っており、投資家たちは、モデルに基づいて評価された資産の精査に注力し、価格算出方法やバリュエーションプロセスの実行、管理、審査をよりきめ細かく行うよう要求しています。
セレントの最新レポート「新環境に即したバリュエーションへの移行:プレッシャー、プライオリティ、プラクティスおよび展望」では、バリュエーションサービス業界の仕組みについて明らかにしました。またバリュエーション業界の今後の動向を分析し、成功を勝ち取るためのベストプラクティスについて考察しています。
出典:セレント
「社内のバリュエーション手続きの断片化と規制関連の経費上昇に伴い、エンドユーザーは既にコスト面で負担を強いられています。ユーザー各社は今後、全社のバリュエーション業務を中央管理し、その整合性を高めるべく、より組織的に取り組むようになると思われます」とセレントのシニアアナリストで本レポートを共同執筆したキュビラス・ディンは述べています。
「金融危機や透明化要求の高まりをきっかけに、先進的な企業は、フロントオフィスからバックオフィスに至るまで企業全体でバリュエーションの一貫性を達成するという目標に向けて、長期的な視点で変革プログラムを推進していくことでしょう」とセレントのアナリストで本レポートの共同執筆者であるスリークリシュナ・サンカーは付け加えています。
本レポートでは、バリュエーションサービスを利用する各種ユーザーとその利用実態について分析し、業界のベストプラクティスや、バリュエーションサービスの選択基準について考察しました。この分析内容は、バイサイド、セルサイド、金融サービス業界向けベンダーなどの経営幹部40人超へのインタビュー結果に基づき、各社が直面する問題、業界の各種慣行、ベストプラクティスのアプローチに関する洞察、バリュエーション能力の獲得とそれに向けた投資に関する検討状況などを調査した結果、得られたものです。
このレポートは8図と4表を含む34ページで構成されています。