ペイメントの主要トレンドを振り返る
Abstract
本レポートは、2011年を通じてセレントのアナリストが注視し、2012年の業界の動向を方向づけるとみられるペイメント関連の重要テーマを取り上げます。
セレントでは毎年年末に世界各地のアナリストが集まり、小口および大口決済をめぐるその年の重要トレンドを振り返ります。セレントでは2011年を通じて、幅広いテーマやトレンドについて正式なレポート、コンサルティングプロジェクト、バンキングブログ、顧客との個別のやり取りを含む様々な形で取り上げてきました。その中から、2011年のペイメント業界に最も大きな影響を与え、2012年も重大なインパクトを及ぼすとみられる10大テーマを選びました。
「決済業界では2010年に様々な動きがありましたが、2011年はさらに変化の激しい年となりました。少なくとも小口決済をめぐっては、業界が激動したといえるでしょう。グールグやIsisなどの新規参入組、PayPalをはじめとする革新派、そしてVisa、MasterCard、Amexといった既存の巨大企業は、それぞれが関係国の決済に関する独自のビジョン設計に向けて重要な一歩を踏み出しました。一方、設立して10年足らずのChina UnionPayは世界最大の顧客を持つカード会社に成長しました。2012年は、こうした変化やイノベーションの多くが根付くかどうかを占う重要な年になるとみられます」と、セレント銀行グループのアナリストでレポートの共同執筆者であるジルビナ・バレイシスは述べています。
また、同じくシニアアナリストで共同執筆者のガレス・ロッジは次のように述べています。「ここに取り上げたテーマはどれもグローバルで、ビジネスの本質を変える、または変える可能性があるものばかりです。新規参入やテクノロジーの進歩によって既存のビジネスモデルは圧力にさらされ、何らかの対応を迫られる状況に置かれています。景気の悪化に伴い、予算はかつてないほど逼迫しています。銀行は難しい決断を迫られるとともに、注力する分野を間違えていないか今まで以上に検証する必要があるでしょう」