RLI社におけるテクノロジーのビジョンの実現
Abstract
商品主導の市場参入戦略を展開する保険会社RLIでは、その戦略に最適な独自のテクノロジーを導入しています。
セレントの最新レポート「RLI社におけるテクノロジーのビジョンの実現」はイリノイ州に拠点を置く中堅専門保険会社RLIに焦点を当て、同社がいかにしてテクノロジーグループを変革したか検証しています。同社は、ビジネス価値の最大化とレガシーシステムの脆弱性の軽減を達成するため、新たなIT戦略を導入しました。まず、ビジネス・ユニットそれぞれの持つニーズに適合し、また提携するホールセラーや代理店と本社間のビジネスをより円滑にするテクノロジーを採用しました。これは、ビジネスごとに特有なフロントエンド・アプリケーションを作成し、最新のプラットフォームとアーキテクチャに移行することによって実現したものです。
RLI社は、独自の組織構造を確立しています。 具体的には、プロダクトグループが比較的自立したビジネス・ユニットとして活動し、これらのユニットは独自のマネジメント、引受人、販売チャネル、補償方法を備えています。同社のテクノロジーグループは、ホールセラー・チャネル、リテール向け代理店チャネル、保証事業といった各プロダクトグループのニーズに対応したフロントエンド・アプリケーションを開発しています。また、次世代のアプリケーションに対応できるように、.NETによるインフラ構築も進めています。
「RLI社のITは、比較的短期間で大幅に進歩しました。ある意味では、商品主導という独自の事業部門モデルを導入している同社にとって、フロントエンドの利便性を重視するIT戦略はわかりやすい選択でした。ただ、よく言われるように、リーダーシップの本質は、他に先駆けて自明の事柄を見つけ、それを実行することにあるのです」と、セレントのシニアアナリストでレポートを執筆したドナルド・ライトは語っています。
ライトはまた、「あまり目立たない課題としては、いかにしてインフラを(.NETのプラットフォームに)アップグレードするか見極めること、レガシーアプリケーションのリプレースかラップかの選択などのロードマップを作成することがありました。RLI社はまた、既存のIT部門社員の技能を再評価する一方、レガシーシステムの保守コスト削減に向けたアウトソーシングの利用にも踏み切っています」と指摘しています。
本レポートは3図と2表を含む全22ページで構成されています。