欧州市場におけるSaaS: 市場データと重要課題
Abstract
保険業界では、これまであまり進んでいなかったSaaS(Software as a service = 「サービスとしてのソフトウェア」)を導入する動きが加速しています。
ここ数年話題に上ることの多いSaaSですが、保険業界ではこのモデルが浸透するかどうか、まだ方向性が定まりません。セレントは最新レポート「欧州保険市場におけるSaaS:市場データと重要課題」で、欧州保険業界における2006年のSaaS市場規模は1,300万ユーロで、今後は確実なペースで拡大を続け、5年後には5,300万ユーロに達すると予測しています。
「SaaSモデルの買い手のタイプは様々ですが、共通しているのはITをコモディティとして捉えている点です」と語るのは、レポートの執筆者であるキャサリン・スタッグ・マーシーです。「SaaSが買い手にもたらす商業的価値として、コスト削減やシステム停止時間の縮小など数多くの理由が挙げられます。」
保険業界のSaaS市場は現在初期段階にあり、あらゆる点から今後数年間で急速に拡大することは確実です。他に先駆けて導入に踏み切るのは、SaaSモデルの採用による圧倒的な商業効果が見込まれる中小保険会社や新興保険会社でしょう。「大手保険会社がSaaSを採用する可能性は低いものの、銀行系など伝統の浅い保険会社は関心を示すと思われます」とスタッグ・マーシーは述べています。
本レポートは、成長するSaaS市場についての知識や情報を提供することを目的に書かれたものです。レポートを執筆するにあたっては、同市場の主要ベンダーから多くの成約データを入手し、その基本データとその後に行った取材をもとに市場の成長トレンドの概要を明らかにしています。また、最後にサプライサイドの概要と保険会社およびベンダーに向けた主要課題をまとめています。
本レポートは6図と2表を含む19ページで構成されています。