取引所インフラ:テクノロジーによる新しいビジネス/経営モデルの強化
マーケットインフラ・プロバイダーの新しいビジネス/経営モデルのテクノロジーによる強化
Key research questions
- マーケットインフラの変化を促している要因は?
- マーケットインフラ・プロバイダーはどのようなテクノロジーを利用してビジネス戦略を支援しているか?
- テクノロジー支出はどのように変化しているか?
Abstract
世界トップ20のマーケットインフラ・プロバイダーのインタビューにより、セレントは彼らのテクノロジーの状況、投資要因、変化への対応方法、およびテクノロジー/イノベーションに関する懸念を引き出すことができた。
キャピタルマーケッツにおけるマーケットインフラ(MI)プロバイダーは、急激な変化の真っただ中にある。規制および市場構造の変化によりMIプロバイダーの状況は劇的に変化しているが、顧客行動、ビジネスモデル、および競争力学を変えるMIプロバイダーの取組みは、テクノロジーの開発/変革によって可能となる。
大多数のMIプロバイダーは、主要テクノロジーの最新化/合理化のプロジェクトを実施することにより、出来高の増加に対応し、最新の規制に対応し、業務を最適化し、一貫した顧客エクスペリエンスを提供している。国際的な基準や慣例への適合が重視されているが、それは発展途上市場のMIプロバイダーにおいて特に顕著である。MIプロバイダーのIT予算のうち、10%から50%がレガシー・テクノロジーの変更/刷新に充てられる一方で、90%から50%はシステムの保守に充てられている。プロバイダーが大手であるほど、保守費用は既に償却されていることが多く、上記の割合は50%/50%に近づく傾向がある。
クラウド、AI、マシンラーニング(ML)、分散台帳テクノロジー(DLT, distributed ledger technology)のような新しいテクノロジーの導入への関心は高いが、それはそうしたテクノロジーが革新的ソリューションや新しいビジネスモデルの開発や、大幅な業務改善に役立つからである。調査したMIプロバイダーの95%で、新しいソリューションは、新しいテクノロジー(オープンアーキテクチャ、クラウド、アプリケーション・プログラミング・インターフェース等)を使って開発しているか、少なくとも将来的にそうした新しいテクノロジーを簡単に組み込むことができるという前提で開発している。