2013年 デリバティブの価格設定とリスク分析:デリバティブ市場における産業革命
Abstract
厳しい規制強化、自己資本比率をめぐる懸念、デリバティブ市場の変化に直面するなか、フロントオフィスによる「適正な」リスクテイクを持続可能なものとするためには、価格設定およびリスクインフラの体制強化が不可欠となるでしょう。
セレントの最新レポート「2013年 デリバティブの価格設定とリスク分析:デリバティブ市場の産業革命」は、価格設定およびリスク管理に関するソリューション市場の現状を明らかにし、金融機関がデリバティグ業務の分析手法を構築・改善するためのサポートを提供する革新的なベンダーをランク付けしています。
スワップおよび店頭市場の構造が変化し、質の高い資本・担保が不足するなか、トレーディングデスクによるデリバティブ戦略の策定作業はより複雑化し、多くの矛盾を抱えるようになっています。バイサイド/セルサイドの金融機関とも、トレーディング業務の収益性やコストへの影響を考慮した上で、様々な選択肢の中から市場へのアクセスルートを選ぶ必要があります。フロントオフィスは注文執行の確実性、流動性、スプレッド、証拠金の要件、ポートフォリオのネッティング決済、執行・清算手数料、さらには選択したルートが全体の自己資本比率に及ぼす影響に至るまで、多くの点を総合的に考慮することが求められています。
今後、デリバティブ業界ではカウンターパーティの信用リスクに基づく動的な価格設定、OISやCSAといった割引慣行、ストラドル取引や既/未決済ポジションの間の緊張関係の管理がトレンドとなっており、それに伴い市場では「タイムリーな」価格創出・配信、電子取引、「ほぼ即時の」取引前・取引後報告などに対応可能で、拡張性および透明性の高いオープンなインフラの導入に向けた取り組みが広がるでしょう。
「デリバティブ市場では独自の『産業革命』が進行しており、このレポートで紹介した価格設定およびリスク管理ソリューションは、多くの点でこれを裏付けるものとなっています。先見性を持つ金融機関がリスク調整済み価格、収益性、資本消費の3つの要素を最前線で総合的かつタイムリーに予測・測定できるようになれば、目標は達成しやすくなるでしょう」とセレントのリサーチ・ディレクターでレポートを執筆したキュビラス・ディンは述べています。
レポートでは店頭デリバティブおよびストラクチャード商品市場における価格設定とリスク慣行の最新動向を取り上げ、その詳細を分析し、それらが金融機関に及ぼす影響について論じています。また、この分野を手がけるベンダー8社について、セレントの「ABCDベンダービュー」を使って評価し、ランク付けしています。同ツールは、①テクノロジーの先進性②機能の幅③顧客基盤④顧客サービスの充実度という4つの要素に基づいて、各ベンダーの市場における相対的ポジションを図表に示したものです。レポートで取り上げたベンダーはAndrew Kalotay、FinCAD、Numerix、Pricing Partners、Quantifi、SciComp、SunGard FastVal、UnRisk / MathConsultの8社です。
本レポートは36p、7図と13表で構成されています。