日本のオープンAPIバンキング - その機会と脅威、そして戦略 Part 3: オープンバンキング戦略の提唱
2018/05/06
Eiichiro Yanagawa
本稿の最後に、オープンAPI戦略を構築する金融機関、それをサポートするITベンダーに対して、オープンバンキング戦略を提唱する。以下の各点は、先行市場における先駆者的な取り組みを開始した企業への助言を、日本市場に向けてローカライズした内容である。
金融サービスや金融機関経営は、各地域固有の金融規制や制度に大きく依存する。今回のオープンAPIの動向も、その戦略において世界標準など存在しない。しかし、いつの時代も先行企業の成功と失敗に学ぶことは多い。「愚者だけが自分の経験から学ぶと信じている。私はむしろ、最初から自分の誤りを避けるため、他人の経験から学ぶのを好む。(Otto von Bismarck)」 ドッグイヤーのデジタル時代にこそ、先人の経験に学ぶことが重要だ。
グローバル市場からの示唆として、セレントは、「新規制への準備は、ビジネスとテクノロジー戦略の再構築機会とすべき」と提唱する。それは、以下の4つの提言である。
- オープンAPIビジョンの策定
- 商品・サービスの再設計
- 開発者とTPPsとの関係構築
- ITをイネーブラーとして再設計