アジア保険会社のIT戦略における革新的アイディア
2010/09/09
ウェンリ・ユアン
Abstract
(このレポートは2010年9月9日に"Innovative Thinking in Asia Insurance IT Strategy"というタイトルで英文で発表しましたが、日本語版を2010年12月14日に発行しました。)
保険会社が最新のトレンドを把握し、それらをいち早く取り込んだ戦略を打ち出すことができれば、競争上の優位に立つことができます。短期的および長期的な生き残りと成功を実現するためには、先進的なアイディアが不可欠となっています。
セレントの最新レポート「 アジア保険会社のIT戦略における革新的アイディア」は、アジアの保険会社が掲げるIT戦略の中から革新的なアイディアを紹介しています。主な内容は以下の通りです。
- 全社共通のプロセス自動化:新規顧客のストレート・スルー・プロセッシング(STP)の自動化を進めるための投資が増大しています。アジアの保険会社では画像処理、自動引受け手続き、文書管理などを可能にするソリューションの導入が進んでいます。
- IT部門の集約:大手の国内保険会社は国内のIT部門の一元化を、金融持ち株会社は業務部門を越えたIT機能の統合を進めています。また、グローバルプレーヤーは、アジア全域でIT部門の統合を進めています。
- 業務部門の集約:ここ数年、アジアの一部の保険会社は業務部門の一元化を進めています。統合された組織には、その機能に対応可能なITソリューションを導入する必要があります。
- プロセスの標準化:アジアの保険会社の間では、ビジネスプロセスの標準化を通じて、全社またはグローバル規模で効率性の最大化を実現しようとする動きがみられます。
- エコシステム全体でカスタム化サービスを提供:保険会社は顧客への理解を深め、顧客サービスの改善を図るため、様々なソリューションを導入しています。
- インターネットおよびモバイルテクノロジーの活用:一部の市場でモバイル・インターネットの利用が拡大していることに注目し、それに応じて先進的な戦略を打ち出している保険会社は、モバイル・インターネットを活用した商品の開発が可能となり、競争上の優位に立つことができるとみられます。
- 業務革新の促進:アジアの一部の保険会社の経営陣はIT部門に対して、業務革新をサポートするだけでなく自らがイノベーションの促進と指導を行うよう求めています。これらの会社では、既にIT部門が組織全体の中核として位置付けられています。
「CIOは、業務部門がIT部門を革新的思考の主導者として認め、そのアイデアを快く受け入れてほしいと望んでいますが、そのためには、確実なビジネスケースを提示する必要があるでしょう」と、セレントのアジアフィナンシャルサービスグループのシニアアナリストでレポートを執筆したウェンリ・ユアンは述べています。
本レポートでは、アジアの国内保険会社、グローバル保険会社および金融持ち株会社に関する8つのケーススタディを紹介しています。
このレポートは6図と1表を含む24ページで構成されています。