進化するブラジルの銀行:リスク加重資産の正確な把握による資本効率の向上
2015/07/09
REPORT PREVIOUSLY PUBLISHED BY OLIVER WYMAN
Abstract
ブラジルにとって、健全な銀行システムは過去も現在も重要な強みとなっています。これまでのところ、自己資本比率が最大手の銀行にとって大きな制約になる状況には至っていません。銀行は二ケタ成長を目指し、底堅いリターンを上げることで損失を吸収し、利益剰余金を使って自己資本比率を達成し、今後の持続的な成長と株主還元の実現も見据えています。ブラジルの銀行がここ数年間注力してきたのは、フロントオフィスの最適化です。資本効率の向上、ストレステスト、シナリオ策定、不良債権管理といった戦略的な資本およびリスク管理プロジェクトだけでなく、成長戦略、チャネル管理、引受けおよび不正行為探知の強化を進めてきました。
ブラジルの銀行がよりハードルの高い市場や規制環境に参入する過程でリスクおよび資本管理機能の拡充方法を変革することで、規制要件への準拠、リターンの維持、顧客への持続可能な融資の実現が可能となるでしょう。これらは今後、銀行の経営幹部が直面する戦略的課題として重要性を増すとみられ、今から備えておくべきでしょう。