2006年 アンチ・マネーローンダリング・ソリューションのベンダー評価
Abstract
全世界のアンチ・マネーローンダリング(AML)関連のソフトウェア投資額は年平均5.9%のペースで増加し、2009年には3億7,500万米ドル(約431億円)に達するでしょう。
マネーローンダリングやテロリストによる資金調達の防止措置を定めた法令を遵守する上で、テクノロジーは不可欠のツールとなりました。かつてテクノロジーへの認識の薄かった欧米の規制当局ですが、現在では、コンプライアンスの基盤として、有効なAML分析手法の重要性を強調しています。金融機関、規制当局ともAMLソリューションにはより高度な機能を求めており、こうしたシステムの改良は進展しています。
セレントがAMLベンダーに関する最初のレポート「Ranking the Vendors of Anti-Money Laundering Solutions(2003年7月)」を発行して以来、この3年の間に当該分野のベンダー市場は形成されました。3年前には、最新テクノロジーを業務に取り込もうと苦心する数社の顧客を持つだけだった各社が、今、AMLベンダー業界において不動の地位を占めています。各ベンダーは、Webベー スのインターフェイスによるユーザビリティの向上、最新のケース・マネジメント機能によるワークフローの効率性向上、特性と機能のギャップ縮小などを通じ て、システムの大幅なアップグレードを進めてきました。市場競争が一段と激化する中、新規参入プレイヤーは、大手グローバル金融機関から需要の高い多国間 取引の契約を獲得しようと、執拗に可用性を追求してきました。一方、これと対照的にハイエンドシステムを提供するベンダーは、地方・中小金融機関などの新 興市場をターゲットに、AMLソリューションの「Lite」バージョンを投入しています。
「米国政府によるAML対策の強化が各国の規制環境にも波及し、世界的にAMLソフトウェア投資の拡大を推し進めています」と、レポートの執筆者であるニール・カタコフは語っています。「しかし、当の業界では、誰もがある疑問を口にしています。― この勢いはいつまで続くのだろうか?」
本レポートは、AMLソフトウェア市場に関する最も包括的なハンドブックです。レポートでは、大手ベンダーや新興ベンターのAMLソフトウェア19製品の概要を紹介し、評価しています。その中には、BI集約型の取引分析ツールや当局(OFAC=海外資産管理局など)が作成した監視リストと照合チェックを行うフィルタリングソリューションなどが含まれています。各ベンダーについては、実際のスクリーン画面や構成図なども紹介しています。また、顧客基盤、特性と機能、テクノロジー・プラットフォーム、典型的な導入スケジュール、ソリューションの価格構造と価格帯に関する詳細な比較表も掲載しています。
レポートでは、ベンダー評価をセレントの「ABCDベンダービュー」を用いて表示しています。この評価は、広範囲に及ぶRFI(情報提供依頼書)に対するベンダーの回答や詳細な製品のデモ、実際にソフトウェアを導入している50以上の金融機関に対する取材などに基づくものです。
本レポートで取り上げたベンダーは以下の通りです。:Accuity, Ace Software Solutions, ACI Worldwide, Actimize, ChoicePoint/Bridger Insight, Experian/Americas Software, Fortent/Searchspace, FircoSoft, LogicaCMG, Mantas, Metavante/Prime Associates, NetEconomy, Norkom Technologies, Northland Solutions, SAS Institute, Side International, STB Systems, Top Systems, Wolters Kluwer Financial Services/PCi.
本レポートは46図と12表を含む全100ページで構成されています。
注)米ドルから日本円への換算レートは、2006年7月31日の仲値(三菱東京UFJ銀行公表による)を参照。