2005年損害保険契約管理システム: 企業保険向けシステムベンダーレポート
Abstract
セレントは、企業保険向けシステムベンダー24社の製品について、その特性を詳しく比較・分析しました。
2003年以降、損害保険の契約管理システム(PAS)を巡る市場環境は大きく変化しています。まず2003年に、.NET、Java、SOA(サービス・オリエンテッド・アーキテクチャ)、Webサービス、ACORD XMLといった最新テクノロジーが一斉に登場したのに伴い、トータル保有コスト(TCO)が大幅に削減されました。ベンダーが最新テクノロジーを採用し、過去の経験を活かすことで、システム導入期間も短縮されています。ここ数年間に市場参入した数多くのベンダーは、いまだ生き残っているだけでなく業績を伸ばしている例も見られます。また、大部分のソリューションは、2年前に比べて機能が格段に向上しています。
「端的に言えば、損害保険会社にとって、今は新たな保険契約管理システムの導入を検討するには絶好の時期でしょう。その理由として、価格が下がっているにもかかわらず、CRMやデータマイニングなど投資利益率(ROI)向上のカギとなる機能が標準装備されているケースが増えたこと、導入期間が短縮されていること、ベンダーの選択肢が増えていることなどが挙げられます」と、セレント保険プラクティスのシニアアナリストで今回のレポートの主執筆者であるチャド・ハーシュは指摘しています。
セレントはこのレポートによって、保険会社の皆様に企業保険対象のシステム市場に対する理解を深めていただきたいと考えています。レポートでは、企業保険対象のベンダー24社の保険契約管理システムの特性・機能を詳しく紹介するとともに、その他8つのシステムについても一部の機能を取り上げました。また、セレントが新たに導入したベンダー評価基準(「ABCD ベンダービュー」)に基づく分析も行なっています。これは、A.テクノロジーの先進性(Advanced technology)、B.機能の幅(Breadth of functionality)、C.顧客基盤(Customer base)、D.顧客サービスの充実度(Depth of client services)の4つのカテゴリーでベンダーを評価し、カテゴリー別に各ベンダーの市場における相対的な位置付けを示したものです。このマッピング図は、単純な「四象限」図とは違って、右上の位置にあるものが必ずしも最善のソリューションであるとは限りません。保険契約のように複雑かつ特異な分野においては、すべての点で「最善」と言えるソリューションは存在しないからです。保険会社には、機能の幅、テクノロジー、実績、顧客サービスの中で、自社にとって何が最も重要な要因であるかを見極め、レポートに掲載した特性や比較テーブルを使って独自のショートリストを作成することを勧めます。なお、「ABCD ベンダービュー」による比較・分析対象となるのは、詳細な特性を把握しているベンダーに限られます。
今回、比較・分析の対象とした24のベンダーは次のとおりです。Allenbrook、AQS、AscendantOne、CGI (INSideOUT)、Computer Sciences Corporation (POINT IN)、Delphi Technology、Duck Creek Technologies、ePolicy Solutions、Fiserv Insurance Solutions (The Specialty System)、Garvin-Allen、Infinity Systems Consulting、INSTEC、Insurance Data Processing、Insuresoft、Insurity、OneShield、P and C Insurance Systems、PCMS、Sapiens Americas、SunGard Sherwood Systems (FrontTier)、Systems Task Group、Tata Consultancy Services、The Innovation Group、Tritech Financial Systems。
このほかレポートで取り上げたベンダーは、Accenture、CGI (GIOS)、Fiserv (PolicyStar)、CSC (Exceed)、Steel Card、Guidewire、InsureWorx (旧Taliant)、Siriusの8社です。
レポートは全111ページから成り、多数の図表を掲載しています。