セレント・モデルバンク2022受賞:Bank of America CashPro App: キャッシュマネジメントにモバイルの利便性を提供
セレント・モデルバンク2022 デジタルコーポレートバンキング部門 受賞企業
Abstract
Bank of AmericaのCashPro Appは、以前は顧客にとって便利であるという程度のモバイルチャネルだったが、新型コロナウイルスのパンデミック発生を機に、事業継続のための重要なツールへと急変革を遂げた。在宅勤務を余儀なくされたことで、同行の顧客は日々の銀行取引をCashPro Appに依存するようになり、このアプリをダウンロードすべきかどうかという長年続いた議論は現実的な意味を失った。在宅勤務への移行が急速に進む中、企業の財務担当者やファイナンスの専門家は、人のいない郵便室に小切手の現物が郵送されてきたり、オフィスに残されたCashProオンラインポータルにログインするために物理的なセキュリティトークンが必要であるといった問題が発生し、不確実に直面した。その結果、顧客はCashProモバイルを使って取引を管理するようになり、同行のアプリの利用が急速に拡大した。
CashProモバイルアプリの利用が急増し、より高度な機能が必要になったことから、同行はアプリの開発パイプラインを加速させた。幅広い法人向けデジタル配信チャネルを持つ同行は、在宅勤務への移行という予想外の事態に顧客が迅速に適応できるよう支援する上で有利な立場にあった。決済指図の発出や遠隔による小切手の預け入れの件数はかつてないほど増加し、アプリのユーザーは物理的なセキュリティトークンではなく生体認証やワンタイムパスワード (OTP) を積極的に利用するようになった。
多くの銀行では、モバイルビジネスバンキングはオンラインポータルに比べて機能が制限されていることから、中小企業顧客向けとして位置づけられている。しかしBank of Americaは、CashPro Appを同行の包括的なCashProオンラインプラットフォームの拡張機能と見なしており、どちらも顧客から直接得たフィードバックと行内のフィンテックユーザーエクスペリエンスのデザイナーによって形成されている。同行は、複数の企業向けモバイル機能を持って市場に参入した初の銀行であると自負しており、2021年12月時点で既に4件の特許を取得し、さらに10件の特許を出願中である。セレントがBank of AmericaのCashPro Appを今年のモデルバンク・アワードのコーポレートデジタルバンキング部門に選出したのは、ユーザーエクスペリエンスとデザインに一貫して注力し、競合他社との差別化を図っている同行の取り組みを評価したためである。