顧客収益性分析ベンダーの評価
Abstract
今後10年間、金融機関は顧客収益性の分析で差別化を図ることになるでしょう。
従来の成長戦略によるリターンが減少する中、金融機関は単なる成長計画から顧客収益性を向上させる戦略へのギアチェンジを迫られています。セレントは最新レポート「顧客収益性分析ベンダーの評価」 で、顧客収益性分析プロバイダーの提供するシステムを検証しました。
今後10年間は、顧客収益性の分析方法を開発し、その結果に基づく戦略・戦術を実践していくことで金融機関は他との差別化を図ることになると予測します。顧客収益性に基づいてサービスレベルの差別化を図り、セグメントに応じた商品を開発し、リレーションシップ・プライシングを導入する金融機関が優位に立つことでしょう。
「これまでは、売上高の拡大を図るよりもコストを削減する方が簡単に増益を達成できると考えられてきました。売上高の拡大を図っても①その成果が得られるまでに時間がかかる(金融機関が単純に他社を買収する場合を除く)、②必ずしも増益につながらない―という理由から敬遠されてきました。銀行業においては増益を伴わない売上増ということが起こりうるからです」とレポート執筆者で銀行プラクティスのマネージング・ディレクターのアレンカ・グリリッシュは述べています。
増益を伴う売上増を重視する傾向が強まり、顧客収益性アプリケーションが成熟してきていることを受け、セレントは独自のベンダー評価手法(ABCDベンダービュー)を使ってこの分野のベンダーを評価しました。今回はベンダー9社(CorePROFIT、Fidelity National Information Services (FNIS)、IPS-Sendero (a Fiserv company)、Oracle, ProfitStars (a Jack Henry & Associates company)、QRM、SAS、SunGard BancWare、Teradata)の製品を取り上げましたが、これらの選定にあたっては口座ごとに収益性の算出が可能で、米国内で5件以上の導入例があることを条件としました。
本レポートは10図と19表を含む全42ページで構成されています。