生命保険向けビジネスプロセスアウトソーシング(BPO) サービスを提供するベンダー:グローバル編
2024年 生命保険会社向けアウトソーシングサービスを提供するベンダーについてのVendorMatchを活用した分析・評価
Abstract
セレントは2011年以降、BPOベンダーの分析と評価を行ってきた。本レポートでは、世界の生命保険業界向けにビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)サービスまたはサードパーティ・アドミニストレーション(TPA)サービスを提供するグローバルベンダー16社を取り上げる。本レポートは、生命保険会社向けのBPO/TPAサービスを提供するベンダー全てを網羅するものではないが、生命保険会社が利用可能なベンダー、BPOおよびTPAサービス機能を幅広く横断的に捉えている。
生命保険会社がインフレの影響、地政学的な不確実性、気候変動といった問題に取り組むなか、顧客が独自のニーズやライフスタイルに合うパーソナライズ化された柔軟な補償の選択肢や相互関係を求める傾向は強まっている。これらの要因は、投資リターンや生命保険会社全体の財務の安定性にも影響を及ぼす可能性がある。
生保各社はこうした課題を克服し、変化する顧客ニーズに対応すべく、それぞれ異なるアプローチをとっている。重要な点は、テクノロジーとデータ分析を活用することにより業務効率の最適化とプロセスの簡素化を図ることである。これには、保険契約管理、保険金請求処理、顧客とのやり取りにデジタルプラットフォームを導入することも含まれる。自動化とデジタル化を推進することで、一般管理費の低減、顧客エクスペリエンスの拡充、保険証書発行の迅速化が可能になる。こうしたタスクの多くはアウトソーシングの検討対象となり得る。
BPOの導入により、保険会社はコスト削減、業務課題の解決、新たな成長機会の獲得、タレントプールへのアクセスを実現できる。また、TPAサービスは生命保険セクターにおける重要な役割を担っている。生保は保険契約管理、保険金請求処理、引受け、顧客サービスを含む幅広い機能を提供する総合的なTPAサービスを求めている。こうした総合型TPAソリューションにシフトすることで、保険会社は業務の合理化、コスト削減、顧客エクスペリエンス全体の強化を図ることができる。
テクノロジーの進歩とアウトソーシングプロバイダーが提供する幅広い機能は、保険会社によるオペレーティングモデルの見直しと期待される業績の達成を後押しする。現在、アウトソーシング契約の料金を成果に基づいて設定する成果連動型モデルに移行する動きが広がりつつある。契約モデルの選択肢が多様になったことで、保険会社は固有のニーズや目標に応じたアウトソーシング戦略を策定できるようになっている。
本レポートに加え、ここで取り上げた各ベンダーやその他のベンダーについてより詳しく知りたい向きには、VendorMatchにアクセスすることをお勧めする。それらの内容は本レポート発行後にVendorMatchに掲載される予定である。