2012年 最先端の保険テクノロジー:生命保険業界
Abstract
保険業界は長年にわたり最新テクノロジーの恩恵を享受し、システムの導入によって機能の拡充、効率性の向上、業績の拡大を実現してきました。時には、テクノロジーが保険会社と顧客、エージェントおよび規制当局との関係を変えたケースも見られました。
セレントの最新レポート「2012年 最先端の保険テクノロジー:生命保険業界」はシリーズの第1弾で、保険会社の業務とテクノロジーの最適なリンクを探る内容となっています。 具体的には、保険業界のあり方に変化をもたらしているテクノロジーやシステム機能に注目し、これらが主にどのようなビジネス成果につながっているかを検証しています。また、保険業界のニーズに合わせてテクノロジーがどこまで進化しているか、逆に保険業界がテクノロジーの進化にどこまで対応できているかを分析しています。
現状をみる限り、世界的に保険会社の間では仮想化やコンタクト・顧客管理(CCM)といったシステムの導入は広がっているものの、ビジネスプロセスマネジメント、ポータル、専門的なヘッジシステムなど、成熟段階にある多くのテクノロジーはまださほど普及していません。しかし、後者のようなテクノロジーは、業務および資本の効率化や機敏性の向上に大きく寄与する可能性を秘めています。
今後業界内で導入成果が証明される可能性のあるテクノロジーとして、保険引受金額や請求金額の査定におけるソーシャルメディアの利用、クラウドプラットフォームによる基幹システムの構築などが挙げられます。これらのテクノロジーの多くはある程度の導入効果が見込まれる一方で、システム上のリスクがある上、ベンダーによる誇大宣伝の可能性もあります。保険会社にとって、投資のタイミングと規模、さらには投資先の決定が重要なカギを握るでしょう。
「どの最新テクノロジーが付加価値をもたらすかを保険会社が正確に判断できれば、投資計画は大きく前進するでしょう。レポートでは、どのテクノロジーの採用が広がっているか、さらにどの業務レベルにこれらを導入すれば最大の成果が得られるかを明らかにしようとしています」と、セレント保険グループのアナリストでレポートの共同執筆者であるカレン・モンクス は述べています。