韓国における保険テクノロジーの動向とインシュアテック
Abstract
本リサーチでは、韓国の保険市場とテクノロジートレンドの概要を提供する。同国の保険会社、インシュアテック、および技術導入について例を挙げる。本リサーチシリーズでは、これまでにオーストラリア、ニュージーランド、大中華圏、日本、東南アジア版を発表した。
韓国の保険市場とインシュアテックの動向を理解してもらうため、現在の市場と規制構造の概要から始める。さらに保険会社2社に焦点をあて、そのプロファイルとデジタル化への取り組みを紹介する。我々の目的は、保険会社が業務刷新に向けデジタルサービスを実現するために採用した構造と戦略を紹介することである。それにより、イノベーションへのアプローチおよびインシュアテックとのパートナーシップまたはコラボレーションに対する保険会社の考え方が分かるだろう。セレントはHanwha Life社にインタビューしたほか、セレント・モデルインシュアラーのケーススタディとしてAIA Korea社を紹介した。
保険会社の観点から韓国のインシュアテックの寸評を発表し、今回取り上げた企業に共通する傾向であるデジタル保険モデルを紹介する。インシュアテック企業としては、Carrot、Kakao Pay、Hana Financial Group、Shinhan EZ General Insurance、LifePlanet、BOMAPP、OpenPlan、Smallticket、Grade Health Chain、Genexonなどが含まれる。
最後に、保険会社のプラットフォームを支えるインフラストラクチャと、データとユーザーエクスペリエンスを含むイノベーションと開発のためのクラウドへの移行について説明する。インシュアテックは一般的にSaaSモデルで構築されるため、最初からクラウドベースのアーキテクチャを採用している。セレントの目的は、政府の支援と規制、韓国の主要クラウドサービスプロバイダー、そして市場にサービスを提供する国際的なCSPとしてのこれらのプロバイダーの戦略の概要を提供することであり、これにはNaver Cloud Platform、NHN Cloud、KT Cloud、AWS、Microsoft Azure、Google Cloud Platformが含まれる。
最後に、韓国の保険テクノロジーとインシュアテックの状況に関する調査に基づき、本レポート執筆者であるMax Ang の見解を述べる。以下はその一部である。
「インシュアテックは韓国で成長しているグループであり、モバイル、組み込み型、手頃な価格の商品を提供し、データ分析やユーザーエクスペリエンスの向上で補完することで、保険における次世代の消費者をターゲットとしている。韓国のフィンテック環境は成長しており、フィンテックを支援する政策もあり、健全なITとオンライン金融インフラが整備されている。これは、国内市場への投資やグローバルな事業展開の基盤となっている。」