ベトナムの保険市場とテクノロジーの概要【全訳版】
Abstract
(このレポートは2013年1月23日に"Vietnam Insurance Market and Technology Overview"というタイトルで英文で発表されましたが、和訳版を2013年7月1日に発行しました。)
ベトナムの保険市場の今後の成長の原動力として、若年層の多い人口動態、経済成長、中間層の拡大、規制緩和、市場開放、社会保障制度の改革などが挙げられます。
セレントの最新レポート「ベトナムの保険市場とテクノロジーの概要」はベトナム保険市場の発展状況について、商品トレンド、販売チャネル、IT投資などの観点から分析しています。
ベトナムの保険市場は急成長しており、2005~11年の平均成長率は年率13.6%を記録しました。中でも生命保険の保険料収入は同期間に19.5%増加し、生命保険に比べて2倍以上のペースで伸びています。しかし、ここ数年は増加ペースが減速しつつあります。
ベトナムでは、生命保険より損害保険の分野に参入している保険会社の数が多くなっています。言い換えれば、生命保険の方が損害保険に比べて市場の寡占化が進んでいます。生命保険では上位3社が保険料収入全体の71%を占めているのに対し、損害保険はこの割合が55%にとどまっています。
「ベトナム保険市場の今後の成長の原動力として、若年層の多い人口動態、経済成長、中間層の拡大、規制緩和、市場開放、社会保障制度の改革などが挙げられます。成長の阻害要因もいくつかあるものの、政府や保険会社は問題解決に向けて取り組んでいます」と、セレントのアジア金融サービスグループのシニアアナリストでこのレポートを執筆したウェンリ・ユアンは述べています。
レポートでは、IT投資の優先分野や地元の保険会社とソリューションベンダーの関係についても論じています。外資系保険会社の場合、アジア地域全体のIT戦略がベトナムでのIT投資に適用されるケースが多いので、このレポートでは、本レポートでは地元保険会社のIT投資に焦点を絞っています。
ベトナムの保険市場はいまだ発展の初期段階にあるため、多くの保険会社はシェア拡大を目下の最優先課題としています。各社がシェア拡大に向けて特に重点的な投資を行っているのは、①多様な顧客層をターゲットとした多角的な商品の投入②全国規模のインフラ機能の構築③販売チャネルのサポート④顧客満足度の向上―といった分野です。
本レポートは26p、17図と3表で構成されています。