DIMENSIONS:北米のウェルスマネジメントにおけるITの課題と優先事項:2024年版
2024/06/30
Key research questions
- 北米のIT支出を牽引している優先事項は何か?
- ウェルスマネジメント会社のIT戦略は、米国とカナダでどのような違いがあるのか?
- ウェルスマネジャーはクラウドインフラやAI、生成AIをどの程度重視しているのか?
Abstract
米国とカナダでウェルスマネジメント会社によるIT支出の伸びが加速している。両国では各社の幹部から、2024年のIT予算の前年比伸び率は2023年よりも拡大しており、2025年にはさらに加速するとの見通しが示されている。
ウェルスマネジメント業界におけるビジネス上の課題とテクノロジーの優先事項を明らかにするため、セレントは世界のウェルスマネジメント会社のシニアエグゼクティブを対象に今年で2回目となる年次調査 「The Celent Dimensions Survey 2024」を実施した。北米の調査では、米国とカナダから参加した57名の回答者の知見や意見をもとに、業界内のIT支出の促進要因と今後1年間の主なテクノロジーおよび投資の優先事項について詳しく分析した。
主な調査結果:
- 北米のウェルスマネジメント会社の63%が生成AIの運用中、パイロット運用中、実験中のいずれかである。
- ウェルスマネジャーのIT予算の38%がフロントオフィスに割り当てられている (IT予算に占める割合が最も大きい) 。
- 回答者の28%が2024年のITの優先事項上位に「データプラットフォームおよびデータ管理」と「AIおよび高度なデータアナリティクス」を挙げている (下図参照) 。
- 回答した幹部の23%がIT支出戦略の推進要因の第1位に「コンプライアンス要件と規制要件の準拠」を挙げている (これを第1位に挙げた回答者が最も多い)。
- 北米地域の2025年のIT予算は平均で前年比4.7%増と、3年連続で増加する見通しである。