デリバティブ取引の未開拓分野:海運市場
Abstract
セレントは、最新レポート「デリバティブ取引の未開拓分野:海運市場」 で海運業界の構造を分析し、海運市場の参加者や全般的なトレンドについて論じています。また、同レポートは、特に海運関連のデリバティブ市場を詳しく取り上げ、様々な商品やオポチュニティの分析をするとともに、今後の市場トレンドの概要を示しています。
セレントのアナリストでこのレポートを執筆したアクセル・ピエロンは次のように述べています。「海運事業は、国内の経済上の生産高から天候の変化に至る様々な要因による影響を受けます。そのため、運賃のボラティリティは突出して高く、とりわけフレート(海上貨物輸送)市場ではこの傾向が強くなっています。このような不確実性は市場参加者にとって大きなリスク要因となるため、リスクを軽減し、市場のボラティリティに対するヘッジ手段を提供する商品を望む声が強まっています。こうした中、海運事業のライフサイクルのあらゆる時点におけるリスクをヘッジするデリバティブ商品(船価先物契約から船舶解体先物契約)に業界の人気が集まっているのも当然といえるでしょう。中でも、海上運賃先物契約(FFA)は海運関連のデリバティブ市場で最も成長著しい分野となっています。」
海上運賃のデリバティブ取引高は2003年に前年比84%増と急増し、2004年も同71%増を記録しました。そのため、伝統的な金融ブローカーなど海運業界以外の市場プレーヤーからも大きな関心を集めています。FFAを巡っては、海運業界と金融市場の収斂が進みつつあることから、市場参加者は両分野の知識を併せ持つ必要があります。
FFA市場における唯一の電子取引プラットフォームであるImarexは、目覚しい実績を挙げています。2002年にプラットフォームを発表して以来、Imarexを通じた取引高は四半期ベースで平均165%の伸びを記録しており、FFAの電子取引に対する市場参加者の関心がいかに高いかがうかがえます。「このような成功を目にして、すでに他の市場で実績を持つ電子取引プラットフォームが製品レンジを拡大し、魅力的なFFA市場のシェア獲得に乗り出してくることは間違いないでしょう」とピエロンは指摘しています。
本レポートは16の図と3つの表を含む全28ページから構成されています。