リアルタイム決済:世界各国のケーススタディ
Abstract
リアルタイム決済に関するシリーズの2本目となる今回のレポートでは、今後10年間にリアルタイム決済システムの採用が加速し、当たり前になるであろうと論じています。
こうした移行期を迎え、多くの国がリアルタイム決済の自国にとっての重要性について考え始め、まずは現在採用されているシステムに注目が集まっています。ただ、多くの国はごく少数のサンプルしか取り上げていないのが現状です(詳細は、既刊レポート「リアルタイム決済:その神話を覆す」を参照)。
「現在稼働しているリアルタイム決済システムは実際には35以上あるのですが、ごく少数しか存在しないと誤解されているようです。その結果、自国により適しているかもしれないシステムを見逃している可能性があります」とセレント銀行グループのシニアアナリストでこのレポートシリーズを執筆しているガレス・ロッジは述べています。
「今回のレポートは、リアルタイム決済システムについて包括的に解説し、自国内でシステムを開発する場合にも、銀行業務の海外進出の一環として、リアルタイム決済システムへの接続が必要となる場合にも、参考にしていただける内容となっています」とロッジはコメントしています。
レポートでは、世界7ヵ国(デンマーク、インド、メキシコ、ポーランド、シンガポール、スウェーデン、英国)のシステムを詳しく取り上げ、開発に至る要因を検証し、各システムの特徴を明らかにしています。リアルタイム決済システムの開発は活発化しているものの、現時点で標準として確立している要素はほとんどないのが現状です。レポートでは、シングルメッセージやISO20022など新たな特性のうち、今後標準になる可能性が高い要素は何かを考察します。
また、決済スピードやアプローチについても様々なケースを取り上げ、最後に、別の7ヵ国(ブラジル、チリ、中国、日本、南アフリカ、韓国、スイス)のシステムの概要も紹介しています。