中国のウェルスマネジメント市場
Abstract
ここ数年、中国の銀行によるウェルスマネジメントサービスは飛躍的な成長をみせており、今後もさらなる拡大が見込まれます。2007年現在で中国における個人向けウェルスマネジメントの市場規模は3,500億米ドル超(約34.7兆円超)となり、2000年の水準から倍増しています。2014年には市場規模が7,000億ドル(約69.3億円)に達すると予想されます。
セレントの最新レポート「中国のウェルスマネジメント市場」は、同国のウェルスマネジメントに関する商品や販売チャネルを取り上げています。一般的な投資先は株式や不動産で、主なトレンドとして①ローリスク商品に対する需要拡大②商品のカスタマイズ化③パッケージサービスの利用拡大―などが挙げられます。
顧客がウェルスマネジメントを提供する金融機関を選ぶ際には①商品の多様性②テレフォン/インターネットバンキングサービスの成熟度③サービス担当者の専門ノウハウ―などが重視されています。また、顧客が契約を解消する際の主な理由はサービスの質の悪さとなっています。
2007年末現在、保有資産残高が100万米ドル(約1億円)を超える中国の富裕個人層は41万5,000人(前年比20.3%増)、3,000万米ドル(約3億円)超の超富裕個人層は6,038人となっています。 また、中国の富裕層人口はアジア太平洋地域の富裕層の22.3%を占め、日本に次いで多くなっています。同国富裕層の資産残高は計2兆1,000万米ドル(約208兆円)に上り、前年比で22.5%増加しました。
出典:セレント
「中国のウェルスマネジメント市場の発展を加速させた要因として、個人資産の急速な拡大、人口の高齢化、高い貯蓄率、金融市場の発展、海外金融市場への投資解禁、兼業規制の緩和、ウェルスマネジメント業界に有利な法令改正などが挙げられます」とセレントアジアリサーチグループのアナリストでレポート執筆者のフア・ジャンは述べています。
さらに付け加えて「ウェルスマネジメント業界が抱えている課題は、画一的な商品、グローバルな資産配分に対する認識の欠如、顧客のプライバシー保護、顧客の資産およびリスク管理、ウェルスマネジメント分野の優秀な人材の不足などです」と指摘しています。
本レポートは5表と21図を含む32ページで構成されています。