ウェルスマネジメントにおけるロボティック・プロセス・オートメーション(RPA): 可能性と危険性
Key research questions
- ウェルスマネジメント企業におけるRPA導入の進捗状況は?
- 企業にとってRPA導入の難易度が高い理由とは?
- 企業はRPAの規模をどのように拡大すべきか?
Abstract
RPAを巡る熱狂の背後には、RPA導入に向けた戦略的支援に取り組む企業がいる。RPA導入により見込まれる多くの利益が、「自動化」が企業のIT優先順位のトップとなる環境を生み出した。RPA導入を達成した企業は、厳しい経営状況に立ち向かうことができる技術的進歩を獲得している。RPAの導入領域は広大であり、多くのウェルスマネジメント企業はRPAが彼らにとって正しいソリューションなのか確認を迫られている。
RPAは主流となりつつあるが、RPAを導入することにより企業が望む自動化レベルを達成できるとは限らない。企業は、彼らの望む自動化レベルにRPAが適切なソリューションであるか自問する必要がある。RPAは本格的自動化への移行に役立つ支援ツールにすぎないかもしれない。RPAを導入する前に、導入、ガバナンス、拡張作業により生じる思わぬ危険を注意深く検討する必要がある。
RPAのメリット/ 活用を理解することは、将来のよりコグニティブなRPAソリューション、すなわちマシンラーニングやAIによって可能となるインテリジェント・オートメーションに向けて社内能力を強化する。そのような取り組みは真の変革の核心、すなわちエンドツーエンドの自動化に取り組む際の障害を打破する。RPA3.0の達成は困難だが、その利益は現在RPAの熱狂が支持しているものである。ひとつボットのROIは非常に魅力的であるかもしれないが、ボット人員のROIは、企業にとって費用効果があるものでなければならない。
自動化を達成している企業は、旧態依然のオペレーションを続けている企業に勝ることができるだろう。ウェルスマネジメント市場はRPAベンダーに何十億ドルも投資しており、テクノロジーのバリューを解き放つことが重要である。適切に適用すれば、RPAは企業の戦略的自動化の取り組みにおいて役に立つツールとなる。インテリジェント・オートメーションは、業務効率を促進する原動力となるだろう。
(詳しい情報は、セレント北川俊来TKitagawa@celent.comまでお問合せください。)