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OTC プライシングとバリュエーション関連インフラの最適化

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2010/05/03

Abstract

(このレポートは2010年5月11日に”Optimizing the OTC Pricing and Valuation Infrastructure”というタイトルで英文で発表されましたが、日本語版を2011年1月12日に発行しました。)

セレントが行った調査によると、金融機関のフロント、ミドルおよびバックオフィスが行っているデリバティブ関連の分析にはかなりの重複があることがわかりました。こうした分析に係るコストを見直し、管理をより効率化することが必要です。調査結果によると、独自の戦略でOTCプライシングを行っている金融機関の場合、デリバティブのライフサイクルである5年分のデータベースを構築、管理、改善するだけでも2,500〜3,600万ドルという多額の投資が必要になることがわかりました。

OTCデリバティブやストラクチャード商品は個々の取引による違いがあるため、プライシングとリスク評価が容易ではありません。コストの高さや選択肢が限られることなどを理由に、これまで銀行、運用会社、ヘッジファンドの多くは、リターン構造が複雑な金融商品のプライシングについてはブローカーディーラーに任せてきました。しかし最近では、ブローカーディーラーへの過度な依存から脱却すべく、独自のプライシングおよびリスク評価機能を確立する銀行や運用会社が増えています。

「分析ツールや統合システムが進化しているにもかかわらず、自社開発システムを抱える古いIT環境の限界、最適な定量分析手法の導入、社内のコスト削減圧力、規制/会計上の要件や投資家からの継続的なニーズなどが障害となって、金融機関が十分なプライシングおよびリスク評価機能をなかなか整えられない状況が続いています。また、バリュエーション・リスクだけでなく、OTCデリバティブ取引に関連する幅広いシステミック・リスクやオペレーティング・リスクへの対応はますます難しくなっています。」とセレントのリサーチ・ディレクターで今回レポートを執筆したキュビラス・ディンは述べています。

利益率の高い業務の低迷、OTC市場の大幅な構造的変化、フロービジネスへの移行などが現実のものとなれば、金融機関は業務部門およびIT部門のさらなる人員削減を迫られるでしょう。同時に、嵩む諸経費、また、独立した価格検証、モデルの妥当性確認、独自のバリュエーションといったリスク管理に関連する部門のからの要求が膨らみ、大手金融機関でさえプライシングやリスク分析への対応に悩まされています。

セレントがFINCADと共同で行った調査によると、独自のデリバティブ分析ツールの構築には、少なくとも900万ドルの初期投資が必要であることがわかりました。また、金融機関の姿勢がどれほど「積極的に」かによって、最適なプライシングおよびリスク分析を維持するための年間運用コストは左右され、その差は初期投資の25〜50%になると予測しています。商品ライフサイクルである5年間、複数の資産クラスで最新の市場ニーズに対応したデータベースを強化・維持するためには1,100〜2,200万ドルのコストがかかる計算になります。実際には、コストがこの幅の上限に達するケースは少ないでしょうが、各社の投資戦略の内容やどの程度ダイナミックな価格モデルを設定しているかによって投資規模には大きな差がみられます。ソフトウェアの全ライフサイクルを通じて、独自の戦略でOTCデリバティブのプライシングを行っている金融機関がデリバティブのデータベースを構築・維持・強化するためには2,500〜3,600万ドルの投資が必要になるとみられます。

出典:セレント

「金融機関は、標準的な機能に市販のツールを利用する一方、利益率の向上やビジネスの差別化のための業務システムを自社開発することで、コスト効率を高めることができます。分析ツールの購入がコスト削減や商品化の加速、さらには全体的な効率向上につながるとの認識から、第三者製のソリューションを導入する動きが広がっています」とFINCADのCEO兼社長であるロバート・パークはコメントしています。

市場の活況時には、金融機関はデリバティブ分析ツールを自社開発してきました。一時的な収益回復期が終わり、利益率の逼迫が見込まれるため、各金融機関はさらなるシェア競争と取引の効率化を迫られるでしょう。利益率が縮小する状況では、OTCの主力商品の売上拡大を図り、同時に、コスト効率化を徹底させる必要があります。レポートでは、OTCプライシングおよびバリュエーション設定を最適化し、業務を効率化するための方法も提示しています。

セレントについて セレントは、金融機関のビジネスおよびテクノロジー戦略の策定をサポートするためのリサーチおよびアドバイスを提供しています。セレントでは、金融機関向けテクノロジーのトレンドとベストプラクティスを探り出し、テクノロジーを活用した、既存のビジネスプロセスの強化や新たなビジネス戦略策定に関するコンサルティングを行っています。高い専門性と国際的な業務経験を持つセレントのアナリストチームが、独自の視点から戦略策定におけるアドバイスや市場動向分析をグローバルに提供しています。セレントは、Marsh & McLennan Companies(NYSE: MMC)傘下のオリバーワイマングループのメンバーです。 詳しい情報は http://www.celent.com/jaをご覧下さい。

FINCADについて FINCADは1990年の設立以来、銀行、企業の財務部門、資産運用会社、会計事務所および政府系機関向けに、複数資産を対象とするデリバティブ商品や債券のバリュエーションおよびリスク管理をサポートするソフトウェアやサービスを提供しています。FINCADの製品は世界80ヵ国以上で35,000を超える金融機関に採用され、金融取引分析ツールとして業界標準の地位を確立しています。 FINCADの提携企業(約70社)は、自社のソリューションにFINCADの分析ツールを組み入れています。 詳しい情報は http://www.fincad.com/ をご覧下さい。

このレポートは10図を含む32ページで構成されています。