米国におけるEMV仕様への移行:進捗状況
2013/11/21
Abstract
米国におけるEMV仕様への移行はまるで進んでいません。移行を妨げている主な要因、EMV仕様への移行のカードイシュアーへの影響を分析し、米国におけるEMV仕様の見通しを示します。
ICチップ内蔵のカード・ペイメント・テクノロジーであるEMV仕様は世界中で広く採用されており、ペイメント業界に多くの利益をもたらしています。しかし、米国は、EMV仕様をまだ採用していない最大の市場で、現在その影響が及び始めています。カード利用における不正行為の発生率は高まっており、米国のカード利用者が海外でカードを利用しようとすると問題が発生することがあります。
レポート「米国におけるEMV仕様への移行:進捗状況」で米国におけるEMV仕様への移行について客観的に評価し、今後の見通し、カードイシュアーが検討すべき点を分析します。
「現在米国においてEMV仕様への移行を妨げている要因が少なくとも5つあります。例えば、レオン判事の判決に関する不確実さ、レギュレーションIIが、デビットカードのEMV仕様への移行を大きく遅れさせています」とセレントのバンキング・グループのシニア・アナリストで本レポートの共同執筆者、ジルビナ・バレイシスは述べています。
そのため、カード発行者が考えるべき最初の問題は、はたしてEMV仕様カードを発行べきか否かです。次の問題は、発行時期です。カード発行者は、以下の5つの点についてEMV仕様の影響にいかに対処するかを考える必要があります。
- カード商品の管理およびマーケティング
- バック・オフィスシステム
- 認証システム
- 顧客サービス
- 教育およびコミュニケーション
EMV仕様移行のIT面を計画するにあたっては、システムを外注するか、あるいは社内で開発するかが重要な検討事項となりますが、この点についても解説します。最後に、セレントの米国におけるEMV仕様に関する見通しに関する主なポイント3つを示しています。