中国における外資系銀行:中国の国内銀行との提携・買収がカギ
2011/01/14
Abstract
中国に進出している外資系銀行は同市場で思ったほどの存在感を示せないまま、過去5年間の市場シェアは2%程度にとどまっています。特に、金融危機を受けてシェア低下が加速しました。
セレントの最新レポート「中国における外資系銀行:中国の国内銀行との提携・買収がカギ」は、外資系銀行の預かり資産残高、市場シェア、ビジネスチャンス、課題、参入戦略、顧客セグメントについて分析しています。
出典:中国銀行業監督管理委員会、セレント
外資系銀行は中国市場で多くの課題に直面していますが、中でも国内銀行との競争は最大の課題となっています。それに次ぐ課題として規制環境が挙げられますが、外資系銀行にとってこの点は改善されつつあります。外資系銀行のブランド認知度は低く、中国の消費者は信頼性、ブランド力、支店網、サービスの質、相性といった点で外資系銀行は国内銀行に大きく見劣りするとみています。また、外資系銀行の革新的な商品やサービスも消費者には認知されていません。
外資系銀行の70%は今後3年間に国内銀行の買収に乗り出す意向を示しており、特に中小銀行への関心を強めています。また、外資系銀行がターゲット顧客層としているのは、主にハイエンドの個人顧客や複雑な金融商品および海外の金融サービスに対してニーズのある法人顧客です。
「外資系銀行は、国の違いによって多様なサービスを提供しています。例えば、邦銀は主に中国に進出している日系企業向けのサービスを提供していますが、台湾勢はこれと全く異なるアプローチをとり、個人向け金融サービスに特化しています」と、セレントのアジアフィナンシャルサービスグループのアナリストでレポートを執筆したフア・ジャンは述べています。
このレポートは16図と3表を含む36ページで構成されています。